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大阪健康安全基盤研究所

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ナナホシクドア食中毒における患者便試験の実施

ヒラメの生食後、数時間で一過性の嘔吐・下痢を発症する有症事例については、ヒラメ筋肉内寄生性(注1)の粘液胞子虫(寄生虫)であるナナホシクドア(学名;Kudoa septempunctata)が関与することが明らかとなり、これらの事例は食中毒として取り扱うことが通知されました(平成23年6月17日付け食安発0617第3号)。この食中毒では、おおむね1000万個以上の生きたナナホシクドア胞子の摂取が必要であることが明らかとなっています。そのため、ナナホシクドア食中毒検査では患者の喫食残品であるヒラメから本寄生虫を種特異的かつ定量的に検出することが重要です。しかしながら、ヒラメは刺身や寿司ネタとして提供されるため、多くの事例では残品が入手できず、検査の実施が困難でした。

大阪健康安全基盤研究所微生物細菌課ではこの問題を解決するため、患者便からのKudoa septempunctata遺伝子検出法を確立し、大阪府内で発生するナナホシクドア食中毒事例(疑い事例を含む)では、患者便の試験を実施しています。この方法は、300mg程度の便からDNAを抽出し、リアルタイムPCR法という遺伝子検出法を利用して、抽出DNAに含まれるナナホシクドアDNAを特異的に検出します。平成23年度と24年度には、患者便試験を含めた検査と疫学情報から、23件の食中毒事例についてナナホシクドアを原因物質として報告しました。また、これまでの試験データから陽性患者便に含まれるナナホシクドアDNAは極めて微量であること、ならびに、ヒラメの喫食から便検体の採取までに要する時間が陽性率に影響を与えること(図1)を明らかとし、平成24年に開催された第33回日本食品微生物学会で報告しました。

図1.喫食から検体採取の期間と陽性率の関連

なお、この患者便試験法では患者がナナホシクドア感染ヒラメを喫食したことは明らかになりますが、発症必要量の生きたナナホシクドア胞子を摂取したかどうかまでは判定できません。それゆえ、ナナホシクドア食中毒と断定するためには、患者の喫食状況、潜伏時間、症状、患者便試験結果を総合的に判断する必要があります。

(注1)現在、ナナホシクドアはウマズラハギにも寄生することが報告されています。

 

お問い合わせ

微生物部 細菌課
電話番号:06-6972-1321