コンテンツにジャンプメニューにジャンプ
大阪健康安全基盤研究所

トップページ > 食の安全 > 夏休みの家庭実験~赤キャベツを使って実験をしよう!~

夏休みの家庭実験~赤キャベツを使って実験をしよう!~

掲載日:2024年7月16日

 皆さんは、果物などを食べたときに「酸っぱい」や「苦い」と思った経験があると思います。「酸っぱい」は「酸性」、「苦い」は「アルカリ性」と一般的に言われています。いつも食べている果物や野菜などが「酸性」、あるいは「アルカリ性」なのか、「赤キャベツ(紫キャベツ)」を使って、家庭で実験して調べてみましょう。

 赤キャベツ(紫キャベツ)は、「アントシアニン」という色素を持っています。この色素は、溶液の酸性やアルカリ性の程度により色が変化することが特徴です。この性質を利用して、食品や身の回りの物が酸性かアルカリ性かを調べることができます。

簡単な実験を行い色の変化を確認しました

 赤キャベツ色素を水に溶かした液をビーカーに入れて、酸性やアルカリ性の薬品(試薬)を加えると、写真1のように液体の色が変化します。何も加えなかったビーカーの液は赤紫色(写真1の無添加)をしています。酸性の試薬として酢酸(さくさん)を加えると、液は赤色に変化しました。一方、アルカリ性の試薬として水酸化ナトリウム溶液を少しずつ加えると、液の色は赤紫→青→緑→黄色の順に変化していきました。

 1

写真1 試薬を添加したときの赤キャベツ色素の変化

次に、身の回りにある物を入れて色の変化を調べました(写真2)。砂糖(スクロース)、食塩(塩化ナトリウム)の他、掃除などに使用するクエン酸、重曹、セスキ炭酸ソーダをそれぞれ1gずつ加えました。砂糖や食塩を加えても色は変化しませんでした。クエン酸を加えると赤に変化したので、クエン酸は酸性であることが分かります。重曹では青、セスキ炭酸ソーダでは緑に色が変化したので、どちらもアルカリ性であることが分かりました。

 2

写真2 身の回りにある物を添加したときの赤キャベツ色素の変化

赤キャベツを使って実験してみましょう

用意するもの

赤キャベツ、お鍋、包丁またはハサミ、まな板、水、ザル、調べたい物(食品、洗剤など)

方法

1 赤キャベツを粗く刻みます。(葉2枚、100g程度)
2 鍋に200mLの水を入れ沸騰したら、1を入れて10分くらい煮ます。
3 ザルなどを用いて赤キャベツを除き、液を取り出します。
4 透明の容器などに赤キャベツの液を分けて入れます。

5 調べたいものを4に入れて、色の変化を確認します。

実験にあたってのお願い

・包丁やハサミを使う時は、手を切らないように気をつけましょう。
・赤キャベツを煮る時は、やけどに気をつけましょう。
・実験は子どもだけで行わずに、大人といっしょに行いましょう。

 3

実験のヒント

・レモンのしぼり汁を入れると色はどのように変化すると思いますか?
・中華めんを入れると、中華めんは何色に染まるでしょう?
・アントシアニンを含む野菜や果物には、どんなものがあるかな? 調べてみよう。

 

参考資料

宮内卓也:ムラサキキャベツで指示薬をつくる,化学と教育,702号,p72-732022
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakyoshi/70/2/70_72/_pdf

(ほかにも赤キャベツを用いる実験サイトは多数あります)

お問い合わせ

衛生化学部 食品安全課
電話番号:06-6972-1110