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大阪健康安全基盤研究所

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乳の規格について

掲載日:2020年9月16日

スーパー等の店頭に並んでいる牛乳などの飲用乳には図1のような表示欄があり、その製品に関する様々な情報が記載されています。記載事項やその内容は「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」等によって決められています。

牛乳パック表示例

図1.牛乳パックの表示例

牛乳などの分類

飲用乳にはいくつかの種類があり、「乳」や「乳製品」に分類されています。「乳」には、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳、加工乳が含まれます。これらに令和2年6月から「生水牛乳」が追加されました。この分類は表示欄にある「種類別名称」に記載されています。

この分類は乳等省令によって決められており、原料や成分、製造方法によって種類が分けられています。また、製品の品質や安全性確保のために「成分規格」が定められています。

乳の成分規格

乳等省令の「乳」に分類される牛乳、特別牛乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳および加工乳等には、成分規格並びに製造及び保存の方法の基準が定められています。成分規格の一部は、図1のように製品に表示されます。成分規格の概要を下記にまとめました。また、表1に「乳」に分類される飲用乳の成分規格の一部を示しました。

成分規格の概要

  • 無脂乳固形分:牛乳から水分と乳脂肪分を除いた成分のことで、たんぱく質、炭水化物、ミネラル、ビタミンなどを含む
  • 乳脂肪分:乳に含まれる脂肪成分のこと
  • 比重:水など乳以外のものが混ざっていないかを確認する項目
  • 酸度:乳の鮮度を表す指標
表1.乳の成分規格
  牛乳 特別牛乳 成分調整牛乳
低脂肪牛乳 無脂肪牛乳 加工乳
無脂乳固形分 8.0%以上 8.5%以上 8.0%以上 8.0%以上 8.0%以上 8.0%以上
乳脂肪分 3.0%以上 3.3%以上
0.5%以上
1.5%以下
0.5%未満
比重
(15℃において)
1.028以上 1.028以上
1.030以上 1.030以上
酸度
(乳酸として)
0.18%以下 0.17%以下 0.21%以下 0.21%以下 0.21%以下 0.18%以下
0.20%以下* 0.19%以下*
細菌数
(1mL当たり)
50,000以下 30,000以下
50,000以下 50,000以下 50,000以下 50,000以下
大腸菌群 陰性 陰性 陰性 陰性 陰性 陰性
*ジャージー種の牛の乳のみを原料とするもの

これ以外に、連続流動式の加熱殺菌機で殺菌した後、あらかじめ殺菌した容器包装に無菌的に充填したものであって、食品衛生の点で10℃以下で保存する必要がない「常温保存可能品(LL牛乳)」については、製品を30℃で5日間以上培養した後の検査(保存試験)で表2の規格に適合しなければなりません。

このように、牛乳等の製品は品質保持や安全性のために厳しい基準が設定されています。

表2.常温保存可能品の規格
アルコール試験 陰性
酸度(乳酸として) 培養前後の差が0.02%以内
細菌数(1mL当たり) 0


大阪健康安全基盤研究所では、牛乳等の製品が表1に示した成分規格の無脂乳固形分、乳脂肪分、比重、酸度の基準に適合しているかを検査しています。また、常温保存可能品については保存試験のアルコール試験および酸度の測定も実施しています。

このように、乳及び乳製品について様々な規制や検査が行われ、安全、安心が確保されています。

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衛生化学部 食品化学1
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