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大阪健康安全基盤研究所

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ジャガイモによる食中毒について

この記事は2年以上前に掲載したものであり、最新の情報と異なっている可能性があります。

ジャガイモで食中毒が起きることはご存知でしょうか?
近年、ジャガイモによる食中毒が増加しており、特に学校や家庭で栽培したジャガイモによる食中毒が毎年起きています1)。
ジャガイモによる食中毒は6から7月に多く、大部分が学校で発生しています。発生要因は、肥料および栽培期間の不足によるジャガイモの未成熟化、日が当たる場所での不適切な保管によるジャガイモの緑化などが考えられます。

ジャガイモの食中毒は、ナス科の植物に含まれるグリコアルカロイド(ジャガイモではα-ソラニンやα-チャコニン、以下ソラニン類:図)を多く摂取することにより起こります。

図 ソラニン類の構造
図 ソラニン類の構造

通常のジャガイモには、100gあたり平均7.5mgのソラニン類が含まれており、そのうち30から80%が皮の周辺にあります。一方、光に当たり緑色になったところは100gあたり100mg以上のソラニン類を含んでいるといわれています2)。特に、発芽部分や皮が緑色に変わった部位、未成熟のジャガイモにソラニン類が多く含まれています。体重が50kgの人の場合、ソラニン類を50mg摂取すると食中毒症状が出る可能性があり、子供の場合はさらに少量で発症すると考えられます。
大阪府でも2013年に、小学校の調理実習でジャガイモを食べた24名のうち4名が腹痛、下痢、吐き気などの症状を呈した食中毒事例が発生しました。喫食したジャガイモは直径5cm未満の小さなもので、ソラニン類は通常のジャガイモよりも多く含有していました。

ソラニン類は熱に強く、調理によって分解されません。下記の5項目に注意し、ジャガイモによる食中毒にならないよう注意してください3)。

  1. なるべく新鮮なうちに食べ、長期間保存しない。
  2. 保存する場合は冷暗所に置き、日の当たる場所や暖かい場所に放置しない。
  3. 光に当たって皮がうすい黄緑から緑色になった表面の部分、芽が出てきたものは芽の付近は食べない。
  4. 保存中に芽が出た場合は確実にとり除く。
  5. 収穫後の新鮮なものでも、小さいもの、地中の浅い所にあったものは食べない。

参考

(食品化学課)

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衛生化学部 食品化学1
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