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大阪健康安全基盤研究所

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大阪府における食品中の残留農薬検査結果の概要(2)

掲載日:2016年7月31日

当所では、大阪府内に流通する農産物を対象として残留農薬の行政検査を行っています。
前回は平成24年度の検査結果をメールマガジン「かわら版@iph」でお知らせしました1)
今回は、平成26から27年度に実施した結果について、紹介させていただきます。

検査を実施した総数は2年間で564検体(国産266検体、輸入298検体)でした。
農産物の種類は51と多岐にわたり、その内訳は国産と輸入農産物で異なっています(表)。

農産物によって検査項目数は異なり、野菜・果実類では152から209項目、茶は52項目を対象にしました。
平成26から27年度に検査を行ったのべ105,180項目のうち、検出された農薬はのべ292項目でした(図1)。また、検出された濃度の大部分は、食品衛生法で定められた残留基準値の10%未満でした(図2)。10検体以上で検出された農薬は、殺菌剤のピラクロストロビン、プロシミドン、アゾキシストロビン、殺虫剤のクロルピリホス、アセタミプリド、イミダクロプリドでした。これらの農薬は、多種類の農産物から検出されるのではなく、検出される農薬と農産物の組み合わせはある程度限定されていました。以上の結果は、適正な農薬の使用を反映するものであると考えられます。

残留基準値を超過した場合は公表され、出荷停止、回収命令等の措置がとられます。
平成26から27年度の検査において基準値を超過したのは、バナナからビフェントリンが検出された事例(検出値0.2ppm、基準値0.1ppm)のみであり、平成24から25年度の基準値超過件数4件(検査総数550検体)と比較して減少傾向にあります。

当所では、多くの農薬を迅速かつ、正確に分析するために検査法の検討および改良を行っています。
府内に流通する農産物の安全性確保のため、今後も残留農薬検査を実施します。
検査結果の詳細は、大阪府のホームページ2)からも確認できますので関心のある方はご覧ください。

表検査実施件数が多い農産物
表 検査実施件数が多い農産物


図1農薬の検出状況 図2農業検出濃度の基準値に対する割合

(食品化学課北川陽子)

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