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大阪健康安全基盤研究所

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梅毒はコロナ禍でも流行中です!

掲載日:2021年1月20日

梅毒はコロナ禍でも流行中です!
妊娠女性とそのパートナーは、定期的な梅毒検査をお勧めします!

大阪府内では2011年頃から梅毒患者の届出数が増加し始め、2018年には年間の届出数が1000名を超える大流行となってしまいました。翌2019年は若干減少しましたが、2020年は新型コロナウイルス流行の影響により他の感染症の届出数が激減するなか、梅毒に関しては1,089名から886名と18.6%しか減少しておらず(図1)、梅毒は依然として流行中と言わざるを得ません。

コロナ禍の梅毒流行図1

梅毒は、早期にペニシリン系の抗菌薬を投与すれば治癒しやすく、成人にとってはそれほど怖い病気ではないのですが、妊娠女性が感染すると、胎児の発育不良や流産・死産の原因となる場合があります。また、何度も感染を繰り返すため、性的なパートナーと一緒に治療することが必要であるなど、リプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)にとっては非常にやっかいな感染症といえます。梅毒は世界中で流行しており、2019年の推計1)によると、2016年には98.8万人の妊娠女性が感染し、66.1万人の先天性梅毒症例(内訳:臨床徴候のない先天性梅毒乳児:30.6万人、胎児の早期死亡・死産:14.3万人、新生児死亡:6.1万人、早産・低出生体重児:4.1万人、臨床症状のある先天性梅毒乳児:10.9万人、その他:1,000人)がありました。

大阪でも、患者の届出数が増加するに従い、2014年に5年ぶりに母子感染による感染患児が報告され、2016年以降毎年報告されるようになり、その数も2018年から増加しました。(表1)

 コロナ禍の梅毒流行表1

現在流行中の梅毒の実態をより詳細に把握するために、2019年に梅毒の発生届が改訂され、患者が女性の場合、妊娠の有無が報告されるようになりました。この結果、患者の中に多くの妊娠女性が含まれていることが明らかとなり(表2)、パートナーからの感染が強く疑われています。さらに、妊娠女性患者のその後の転帰についての任意の報告も散見され、死産や流産が起っていることが明らかとなっています。

 コロナ禍の梅毒流行表2

以上のことから、妊娠女性は婦人科・産婦人科を定期的に受診し、医師の勧めに応じて梅毒検査を受けることが重要です。梅毒は、感染している人と性行為を行わなければ感染することはありませんが、無症状の期間が長いため感染しているかどうかは検査でしかわからないケースも多く、妊娠女性と共にパートナーも一緒に梅毒検査を受けることが推奨されています。コンドームの使用は性感染症の予防に有効ですが、梅毒の場合、キスやオーラルセックスでも感染するので、コンドームを使用しても完全に予防することはできません。妊娠女性とそのパートナーは特にご注意ください。

 

参考文献

1)Korenromp EL, et al., PLoS One 14: e0211720, 2019(外部サイトにリンクします)

お問い合わせ

微生物部 ウイルス課
電話番号:06-6972-1401