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大阪健康安全基盤研究所

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風しん(3日はしか)について

掲載日:2019年2月22日

風しんとは?

風しんは、発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とするウイルス性の発しん性疾患です。過去に軽い麻しん(はしか)のような病気とされていた背景から「3日はしか」と呼ばれることもあります。風しんの英語の正式名称は、「rubella(ルベラ)」ですが、これは、ラテン語の「小さな赤(発しん)」に由来します。風しんの最大の問題は、妊娠初期の妊婦が風しんに罹患した場合、出生児が先天性心疾患、難聴、白内障を主徴とする先天性風しん症候群(congenital rubella syndrome:CRS)を発症する可能性がある点です。


風しんの原因について

風しんは、トガウイルス科ルビウイルス属に属する風しんウイルス(rubella virus)に感染することによって発症します。風しん患者の咳やくしゃみによって排出される飛沫には風しんウイルスが含まれており、主にはこの飛沫を介して感染が伝播されます。1人の感染者から感染して発症する二次感染者の平均値は5~7人とされており、インフルエンザの2~3人と比較して感染力の強い感染症です。


風しんの症状と予防法について

vaccine

風しんウイルスの感染から14~21日の潜伏期間を経て、発熱、発しん、リンパ節腫脹が出現します。風しんウイルスに感染した30~50%の人たちは、症状が無い、もしくは軽いとされています。通常は、予後良好な疾患ですが、血小板減少性紫斑病(3,000~5,000人に1人)や脳炎(4,000~6,000人に1人)等の合併症を伴うことがあります。最も効果的な予防法は、弱毒化した風しんウイルスを含有するワクチンの2回接種です。感染並びに発症の予防には、ワクチンによって風しんウイルスに対する免疫を十分に獲得しておくことが重要です。


先天性風しん症候群について

妊娠初期の妊婦が風しんに罹患すると、胎児に風しんウイルスが感染し、先天性風しん症候群を発症させる可能性があります。先天性風しん症候群の主な症状は、先天性心疾患、難聴、白内障です。それ以外にも、血小板減少症、頭蓋内石灰化、肝脾腫、精神発達遅滞など全身性に様々な症状を引き起こす可能性があります。日本国内において、2012年から2014年に出生した先天性風しん症候群45例の追跡調査から、11例(24%)が調査時点までに死亡したことが報告されており、医療水準の高い日本においても死亡率が高いのが現実です。また、先天性風しん症候群患児の母親のワクチン接種歴の調査から、45例中11例(24%)は1回接種者であり、2回接種者からの報告が無かったことが明らかにされています。先天性風しん症候群を防ぐには、ワクチンを2回以上接種しておくことが重要です。


登校(園)基準

風しんは、第2種学校感染症に定められており、「発しんが消失するまで」出席停止となります。風しんと明らかになった場合は、学校に届け出て定められた出席停止期間に従い、医師の登校許可が出るまで家庭で安静にしてください。


流行を防ぐには?

現在、世界保健機関(WHO)等は風しん排除を目指してワクチンの普及など様々な活動を行っています。それに伴い、日本は2020年までの排除を目標に掲げていますが、2008年以降では、2012年、2013年、2018年に大きな風しん流行を経験しました。これらの流行では、成人男性が患者の中心を占めました。これは、過去のワクチン接種制度により成人男性(特に30歳台から50歳台)の風しんウイルスに対する抗体保有率が低いことに起因しています。1979年4月1日以前に出生した男性については、公的にワクチンを接種する機会が無かった為、特に注意が必要です。近隣諸国の中には、風しんが流行している国もありますので、日本国内から風しんを排除するには、抗体保有率を高めるしかありません。近年の風しん流行においては、「職場」が感染拡大を引き起こす場所の一つになっています。風しん排除を目指す為、周囲の女性や今後生まれてくる子供を守る為にも、積極的にワクチン接種を行いましょう。


お知らせ

厚生労働省は、特に抗体保有率の低い39~56歳(1962年4月2日~1979年4月1日に生まれ)の男性に対して、2019年から約3年間、風しんの抗体検査とワクチン接種を原則無料で実施することを発表しました。上記対象外の方についても、抗体検査、ワクチン接種に関して助成を行っている自治体もありますので、これらの機会を積極的に活用しましょう。


参考資料




お問い合わせ

微生物部 ウイルス課
電話番号:06-6972-1402