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大阪健康安全基盤研究所

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RSウイルス感染症について

掲載日:2019年7月31日

RS(Respiratory Syncytial)ウイルス感染症は呼吸器の感染症のひとつです。1歳までに半数以上が、2歳までにほぼすべての小児が感染することが知られています。感染経路は飛沫感染と接触感染で、2~8日の潜伏期間後に症状が認められます。症状は、軽ければ咳や発熱、鼻汁などのいわゆる風邪の症状ですが、気管支炎や肺炎など下気道炎となることがあり、特に早産児、肺疾患や心疾患がある小児は重症化するリスクが高まります。生涯にわたり何度も感染を繰り返すと考えられ、高齢者においても気管支炎や肺炎などの原因となることがあります。


RSウイルス

RSVRSウイルス電顕写真(CDCホームページより)

RSウイルスはエンベロープを持つRNAウイルスで、そのウイルス学的な特徴により、これまで属していたパラミクソウイルス科ニューモウイルス属から新たにニューモウイルス科オルソニューモウイルス属に分類されました。A型とB型の2つの血清型があり、さらに、主要な抗原領域であるG蛋白をコードする遺伝子の塩基配列から複数の遺伝子型に分類されます。近年検出されている遺伝子型は、A型ではON1、B型ではBA9が中心となっています。


発生状況

感染症発生動向調査による大阪府内のRSウイルス感染症の報告数は、以前は秋から増加して冬にピークを迎える傾向でしたが、2016年からピークとなる時期が徐々に早くなり、2017年以降は夏から秋にかけて増加するパターンとなっています(下図)。時期が変化した理由については解明されていませんが、全国的にも同じような傾向となっています。

RSVweek.jpg

予防とワクチン

RSウイルス感染症に対する治療薬はないため、「人混みを避ける」、「手洗いをしっかり行う」といった予防対策が重要です。また、早産児や基礎疾患がある小児に対しては、重篤な下気道疾患の予防にパリビズマブ(抗RSウイルスモノクローナル抗体)が使用されることがあります。予防投与はRSウイルス感染症の流行時期に合わせて行う必要があるため、感染症発生動向調査による流行解析が重要です。
RSウイルスに対するワクチンは、今のところ実用化されていません。しかし、臨床試験まで開発が進んでいる候補は複数あり、WHOは近い将来のワクチン導入を視野にRSウイルスの世界的な発生動向調査(グローバルサーベイランス)を開始しています。


参考資料




お問い合わせ

微生物部 ウイルス課
電話番号:06-6972-1402