大阪府内で麻しん(はしか)患者が報告されています!
掲載日:2025年4月24日更新
大阪および国内の発生状況
大阪府では2025年第17週(4月21日~4月27日)に麻しんの患者が報告されています(下記参照)。大阪府では2024年は累計11例でした。麻しんは「はしか」とも呼ばれ、麻しんウイルスの感染によって起こる感染症です。麻しんウイルスの感染力は極めて強く、麻しんに対して免疫のない人が麻しんウイルスに感染すると、90%以上が発病します。
麻しんについての大阪府内の詳細情報はこちら麻しん(はしか)について|大阪健康安全基盤研究所 (iph.osaka.jp)
大阪府内で報告された麻しん患者に関する情報はこちら
- 第17週
麻しん(はしか)に関する注意情報(大阪府)2025年4月23日
麻しん(はしか)患者発生に伴う注意喚起について(大阪市)2025年4月23日
- 第15週
麻しん(はしか)に関する注意情報(大阪府)2025年4月14日
麻しん(はしか)患者発生に伴う注意喚起について(大阪市)2025年4月14日
麻しん(はしか)に関する注意情報(吹田市)2025年4月14日
麻しん(はしか)に関する注意情報(大阪府)2025年4月9日
麻しん(はしか)患者の発生に伴う注意喚起(東大阪市)2025年4月9日
麻しん(はしか)患者の発生に伴う注意喚起について(4月9日)(八尾市)2025年4月9日
- 第14週
麻しん(はしか)に関する注意情報(大阪府)2025年4月4日
麻しん患者発生に伴う注意喚起について(大阪市)2025年4月4日
- 第13週
麻しん(はしか)に関する注意情報(大阪府)2025年3月27日
3月27日提供麻しん(はしか)患者の発生について(堺市)2025年3月27日
国内で報告された麻しん患者に関する情報
2025年第15週時点で、国内では78例の麻しん患者が報告されています。そのうち推定感染地域が「国外」、「国内または国外」とされているものが39例報告されており、30例がベトナムでの感染が推定されています。
国内のワクチン接種状況
(国立感染症研究所の下記リスクアセスメント情報を参考に記載)
麻しんの予防接種は 1966 年から任意接種として開始され、1978 年 10 月に定期接種が導入されました。当時の定期接種対象年齢は、生後 12 か月以上 72 か月未満でしたが、1995 年度から生後 12 か月以上 90 か月未満に変更となりました。2006 年度には麻しん風しん混合(MR)ワクチンが導入され、接種対象年齢は第 1 期(生後 12 か月以上 24 か月未満)、第 2 期(5 歳以上 7 歳未満で小学校就学前 1 年間の者)の 2 回接種となりました。
日本は、2015 年に世界保健機関(WHO)により認定された麻しん排除状態を維持するために、2 回の定期 MR ワクチン接種率 95%以上の達成・維持を目標としていますが、2023 年度の全国の麻しん風しんワクチン接種率は第 1 期94.9%、第 2 期 92.0%でした。大阪府では、第 1 期96.0%、第 2 期 91.8%と大阪府および全国における第2期の麻しんワクチン接種率は95%を下回っている状況です。
- 国立感染症研究所. 麻疹の発生に関するリスクアセスメント(2024 年第二版)
世界の状況
(国立感染症研究所、米国CDC、WHO情報を参考に記載)
新型コロナウイルス感染症の流行の影響による予防接種活動の遅れにより、2020年から2022年にかけて6,100万回以上の麻しん含有ワクチンの接種が延期または受けられない状況が生じました。ワクチン接種率が95%未満の地域に麻しんが持ち込まれると、流行のリスクが高まります。日本を含む世界中で大規模な流行が発生するリスクが高まっています(米国CDC、WHO)。
2024年の主な麻しん患者報告地域は、ヨーロッパ地域(EUR)、東地中海地域(EMR)、アフリカ地域(AFR)の3地域であり、全体の86%を占めていました。ヨーロッパ地域(EUR)からの麻しん患者報告数は前年度を上回っており、中でも、ベトナム、モンゴル、韓国は前年の報告数を大きく上回っています。特に2024年10月下旬以降、国内においてベトナムからの輸入症例が相次いでおり、海外の麻しん流行地域からの新たな輸入症例の報告が懸念される状況です。このことから海外渡航者に対して、感染予防方法などの情報を周知するとともに、該当地域への渡航予定者には十分な注意が求められています。また、海外からの帰国者や渡航者と接する機会が多い人についても、海外からの持ち込みリス クなどに備え、2 回の麻しん含有ワクチン接種歴を確認しておくことが推奨されてます。(国立感染症研究所、WH8O)。世界における2024年9月~2025年3月の麻しん患者報告数の上位10か国は以下のようになっています(米国CDC)。
- イエメン
- インド
- パキスタン
- エチオピア
- アフガニスタン
- タイ
- キルギス共和国
- ルーマニア
- インドネシア
- ナイジェリア
- WHO Western Pacific countries at risk of measles outbreaks due to immunization and surveillance gaps
- WHO Rapid measles outbreak response critical to protect millions of vulnerable children
- 米国CDC Global Measles Outbreaks
麻しんの予防
麻しんの有効な治療方法は未だありません。麻しんの感染と発症を防ぐ最も有効な手段は、「ワクチンを確実に2回接種すること」です。母子手帳で接種歴をご確認ください。第1期、第2期の定期予防接種を徹底するとともに、小学生以上で、検査診断された麻しんの罹患歴がない場合は、必要回数である2回の予防接種の記録を持っていることが重要です。
麻しんウイルスを吸い込むことで感染しますが、マスクを装着しても感染を防ぐことは困難です。特に海外へ渡航する際には、渡航先での感染症の流行状況を確認し、必要に応じてワクチンを接種してください(厚生労働省(FORTH)海外渡航のためのワクチン)。
可能な限り早めのワクチン接種が推奨される者、接種における注意点などについては以下の情報をご参照ください。
- 麻しん・風しん混合(MR)ワクチン接種の考え方(国立感染症研究所)
- 予防接種についての詳しいお問合せは、お住まいの市町村予防接種担当課まで(大阪府)
大阪府内の各市町村担当課一覧
麻しんを疑ったら連絡の上受診しましょう
麻しんの初期症状は「発熱・咳・鼻水」で、通常の風邪症状と同じです。ワクチンを打っていても十分な免疫力がついていないと軽症で典型的ではない麻しんを発症することがあり、感染源となることがあるので注意が必要です。海外の麻しん流行地域に旅行後、体調不良がみられた場合、感染拡大を防ぐため早期に医療機関を受診してください。麻しんが疑われる際には、受診の前に予め医療機関に連絡しておくことも重要です。
麻しんの疑いがあるのは次の場合です。
症状(発熱、せき、鼻水、眼球結膜の充血、発しん等)があり、
- 1か月以内に麻しん患者と接触していた場合(上記、自治体公表情報参照)
- 麻しん流行国(東南アジア地域、東地中海地域、アフリカ地域、ヨーロッパ地域)への最近の渡航歴がある場合
☆医療機関を受診する際には、事前に電話連絡等にて麻しんの疑いを伝え、指示に従ってください
お問い合わせ
公衆衛生部 健康危機管理課
電話番号:06-6972-1326