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大阪健康安全基盤研究所

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10月24日は世界ポリオデー

掲載日:2021年10月18日

世界ポリオデーは、初めてポリオ・ワクチンを開発したチームを率いた米国の医学者Jonas Salk(ジョナス・ソーク)の誕生を記念して、ポリオのない世界を目指す国際ロータリーによって設立されました。1988 年には世界ポリオ根絶推進計画(GPEI)が設立され、世界中のポリオを99%減らしました。ポリオ(急性灰白髄炎・小児麻痺、感染症法2類感染症)はワクチンで予防可能な疾患です。

発生動向

  • 日本では、1960年に患者数6,500例に達する大流行がありましたが、その後の経口生ポリオワクチン接種により患者は激減し、1980年を最後に発生していません。
  • 世界では、1988年に約350,000例の報告がありましたが、2018年には33例、2019年には175例(主としてパキスタン、アフガニスタン)まで減少しています(世界保健機関(WHO))2020年は、野生型ポリオウイルス1(wild-type poliovirus 1:WPV1)がアフガニスタンで56例、パキスタンで84例確認されています。
  • 2020年8月25日、WHOは、アフリカ地域における野生型由来のポリオウイル(polio virus)の根絶に成功したと正式に宣言しました。

    (Global polio eradication initiative applauds WHO African region for wild polio-free certification)

    ポリオウイルス

    WHOによると、アフリカ地域で4年間、野生型ポリオウイルスが報告されておらず、同地域における野生型ポリオウイルスの最後の症例は、ナイジェリアで2016年に検出されたものです。これで野生型ポリオウイルスが報告されるのはアフガニスタンとパキスタンの2カ国となります。

    アフリカ地域からの野生型ポリオウイルスの根絶は大きな成果ですが、2020年9月現在、アフリカ地域の16カ国では、伝播型経口ワクチン由来ポリオウイルス2型(cVDPV2)の流行が27か国で報告されています。そのうち21がアフリカ地域の国です。2019にはcVDPV2の報告例は366でしたが、2020年は報告例が959例まで増加しています。

    予防接種の少ない地域ではこのウイルスによる感染が発生する可能性があるともWHOは言及しており、引き続き注意が必要です。

感染経路と臨床症状

  • ポリオウイルスが人から人へ、主にウイルスを含む糞便を介して感染します。
  • 感染した場合、約95%は不顕性感染(感染後も無症状で経過するもの)であり、残りの約5%が、発熱、倦怠感、頭痛、嘔吐、頸部、四肢の疼痛などの感冒症状を呈します。不可逆的な運動麻痺をおこす事例は、感染者の約0.5%であり、そのうち5-10%が呼吸筋に麻痺を起こすことにより死亡します。

予防接種

  • ポリオワクチンには、経口生ポリオワクチン(Oral polio vaccine:OPV-経口接種)と不活化ポリオワクチン(Inactivated polio vaccine:IPV-注射による接種)があります。
  • 日本では、2012年8月まではOPVが使用されていましたが、2012年9月以降はIPVが使用されています。
  • ポリオがまだ存在する国に4週間以上の長期滞在を予定している方は、過去にポリオの予防接種を受けたことがあっても、渡航前に追加で接種することがWHOより推奨されています。かかりつけの医師に相談してください。特に1975年から1977年生まれの方は、ポリオに対する免疫が低いことが分かっており、この世代の方については追加接種が推奨されます。

参考  

お問い合わせ

公衆衛生部 健康危機管理課
電話番号:06-6972-1326