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大阪健康安全基盤研究所

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7月28日は世界肝炎デーです。

掲載日:2022年7月27日

ウイルス性肝炎の蔓延防止には、世界的規模で正しい知識と予防意識の啓発や患者・感染者に対する差別・偏見の解消が重要です。これらの観点から、2010年の世界保健機関(WHO)総会で、「世界肝炎デー(7月28日)」が制定され、2011年より肝炎啓発推進活動が実施されています。

   World Hepatitis Day
   WHO


以下、主要なウイルス性肝炎の概要を記しますので、参考にしてください。


(表) 主なウイルス性肝炎の概要 

 

A型肝炎

B型肝炎

C型肝炎

E型肝炎

原因ウイルス

ピコルナウイルス

ヘパドナウイルス

フラビウイルス

ヘペウイルス

感染源・経路

経口(食事・水)、性感染

血液、母子感染、性感染

血液、医療行為、静注麻薬

経口(食事・水)

潜伏期間

15~30日

30~180日

15~180日

15~50日

重症化

あり(まれ)

あり

あり(まれ)

あり(まれ)

慢性化

なし

あり

あり

なし

肝細胞がんの発生

なし

あり

あり

なし

治療薬

なし

あり

あり

なし

ワクチン

あり

あり

なし

なし

【A型肝炎】

  • A型肝炎ウイルスに汚染した食物や水を摂取したり、感染した人に直接接触することで感染します。ほとんどの人は自然に回復し、生涯に渡り防御免疫を持ちますが、高齢者では重症となるリスクが高くなります。まれに劇症肝炎で亡くなる人もいます。
  • 安全な水がないこと、不衛生はA型肝炎のリスクになります。食物や水による感染が少ない国では、男性間性交渉等による感染の広がりが認められます。
  • WHOによると2016年には約7,000人が死亡しました(ウイルス性肝炎で死亡した人の0.5%)。
  • 日本では2020年に120例、2021年に71例の届出がありました。
  • 安全で効果的なワクチンがあります。流行している地域・国へ渡航する人や男性間性交渉者はワクチン接種をお勧めします。

 【B型肝炎】

  • B型肝炎ウイルスは母から子へ伝達されるほか、感染者の血液や体液の接触により伝播します。
  • B型肝炎は急性疾患と慢性疾患を起こします。
  • 世界的には推定2億5,700万人がB型肝炎ウイルスに感染しています。2015年には、世界で88.7万人以上の人がB型肝炎の合併症(肝硬変、肝がん)によって死亡しました。日本では現在約110~120万人がキャリア(肝炎ウイルスが体内に持続的に存在し続けている状態)であり、そのうち10~20%が慢性肝炎となり、肝硬変、肝細胞がんへ進行することがあります。
  • ワクチンを接種することによって予防することができます。

 【C型肝炎】

  • C型肝炎ウイルスは主として血液を介して感染します。
  • C型肝炎は急性疾患と慢性疾患を起こします。慢性感染者は、将来的に肝硬変や肝細胞がんを発症するリスクが高まります。
  • 世界的には、7,100万人が慢性C型肝炎に罹患し、毎年40万人がC型肝炎関連の肝疾患で死亡しています。日本では約150万人がキャリア(肝炎ウイルスが体内に持続的に存在し続けている状態)と推定されます。2006年4月から2020年10月までの届出は516例(病原微生物検出情報(IASR):急性C型肝炎2006年4月~2020年10月)でした。
  • C型肝炎に対するワクチンはありませんが、抗ウイルス薬はC型肝炎患者の95%以上を治癒させることができ、肝硬変や肝細胞がんによる死亡リスクを下げることができます。

【E型肝炎】

  • E型肝炎ウイルスで汚染された水の摂取や、野生動物(ジビエ)の生食(加熱不十分を含む)により感染します。
  • E型肝炎の特徴の一つとして、妊婦で劇症肝炎の割合が高く、致死率が20%にも達することがあげられます。
  • 世界で毎年2,000万人が感染します。WHOの推計では、2015年に約44,000人がE型肝炎により亡くなりました(ウイルス性肝炎で死亡した人の3.3%)。
  • 日本では2020年に454例、2021年に458例の届出がありました。
  • E型肝炎に対するワクチンが中華人民共和国で承認されていますが、日本を含め他の国では未承認です。


お問い合わせ

公衆衛生部 健康危機管理課
電話番号:06-6972-1326