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大阪健康安全基盤研究所

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カシューナッツが特定原材料に追加されました

掲載日:2026年6月24日

「食物アレルギー」と聞くと、卵や牛乳などの原因となる食品や、じんましんといった症状を思い浮かべる方が多いかもしれません。食物アレルギーは、特定の食品(アレルゲン)を摂取した際に、体の免疫反応によりさまざまな症状が起こる状態をいいます。

このページでは、令和8年4月1日付で「特定原材料」に追加された「カシューナッツ」と、「特定原材料に準ずるもの」となった「ピスタチオ」について、背景や注意点を解説します。
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木の実類で増加する即時型アレルギー反応

近年、木の実類による即時型アレルギー反応を示す人が増えています。即時型アレルギー反応とは、食品を食べてから比較的短い時間で症状が現れるタイプのアレルギーです。じんましんや口唇・眼瞼の腫れといった皮膚や粘膜の症状に加え、咳、呼吸困難、血圧低下など、全身に症状が及ぶ場合があります。アレルゲンが体内に入ることで全身性のアレルギー症状が生じ、生命に危険を及ぼす過敏反応はアナフィラキシーと呼ばれ、血圧低下や意識障害を伴う場合はアナフィラキシーショックといいます。

令和6年にわが国で実施された全国実態調査では、原因食品の症例数において木の実類は鶏卵に次ぐ第2位(報告全体6033症例の24.6%)となりました(図1参照)。品目別に見ると、カシューナッツは全体で7番目(4.6%)、ピスタチオは14番目(0.8%)ですが、木の実類(1484症例)に限ると図2に示すように、カシューナッツはクルミに次いで2番目(18.8%)、ピスタチオは4番目(3.4%)となっており、一定の割合を占めています。

カシューナッツおよびピスタチオによる即時型アレルギー反応のうち、ショック症例が占める割合は、それぞれ13.3%(279症例中37例)、14.0%(50症例中7例)であり、本調査では多い順に4番目と3番目に位置しています。
図1原因食物の類別割合
図2木の実類アレルギー内訳

食品表示とカシューナッツのアレルゲンとしての注意点

こうした調査結果を踏まえ、専門家も加えた委員会での検討の結果、カシューナッツは食品表示基準における特定原材料に準ずるもの(症例数や重篤な症状を呈する人が一定数みられるが、特定原材料よりは少ないもの)から特定原材料(発症数や重篤度から見て表示の必要性が特に高いもの)に移行しました。一方、ピスタチオは新たに特定原材料に準ずるものに追加されました。これにより、既に特定原材料となっているくるみや、特定原材料に準ずるものに位置付けられているマカダミアナッツと合わせて、木の実類アレルギーについては、上位2品目が特定原材料、上位5品目までが特定原材料に準ずるものとして整理されました。

特定原材料には表示義務がありますが、カシューナッツについては令和8年4月1日から2年間の経過措置期間(各メーカーが食品表示ラベルを更新するために設けられた期間)が設けられております。カシューナッツが目立つ形で表示されていない場合がありますので、注意が必要です。また、カシューナッツとピスタチオはいずれもウルシ科の植物で、性質が似ています。そのため、片方にアレルギーがある場合、もう一方でも症状が出ることがあり(交差抗原性)、注意が必要です。

新たに導入されたカシューナッツの検査法

食品表示基準では、アレルギー表示の対象となる特定原材料について、消費者庁の通知により検査法が定められています。今回、新たにカシューナッツの検査法が追加され、液体クロマトグラフ-トリプル四重極型質量分析計(LC-MS/MS)を用いた定性検査法が初めて導入されました。この方法は現在カシューナッツに適用されていますが、複数の成分を同時に検出できるという特長があり、今後は他の特定原材料への応用も期待されています。

 

最後に

このように、カシューナッツは木の実類の中でも、症例数の増加や重篤な症例の存在が指摘されており、注意すべきアレルゲンとしての重要性が高まっています。今回の制度改正は、こうした状況を踏まえた措置であり、今後は食品表示や検査の面において、より一層の注意が求められます。

 

参考情報

1.食物アレルギーの原因となる食品の表示について(https://www.iph.osaka.jp/s010/030/020/030/20190613152233.html

2.ご存知ですか?「くるみ」の食物アレルギー表示(https://www.iph.osaka.jp/s017/070/2023年05月20日230526113728.html

3.のぞいてみよう!食物アレルゲンのスクリーニング検査(https://www.iph.osaka.jp/s017/070/2025年01月20日251224143316.html

 

参考資料

1.日本小児アレルギー学会、食物アレルギー診療ガイドライン2021 ダイジェスト版

2.杉崎千鶴子ら、消費者庁「食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業」令和5(2023)年即時型食物アレルギー全国モニタリング調査結果報告、アレルギー、74(3):167-172(2025)

3.佐藤さくら、ナッツ類の臨床的な交差反応性、アレルギー、72(10):1205-1210(2023)

4.消費者庁、食品表示基準について(平成27年3月30日消食表第139号、最終改正令和8年4月1日消食表第237号)

お問い合わせ

衛生化学部 食品安全課
電話番号:06-6972-1110