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大阪健康安全基盤研究所

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ご存知ですか?「くるみ」の食物アレルギー表示

掲載日:2023年5月31日

くるみは、いろいろなお菓子や料理によく使われますが、人によっては食物アレルギーの原因となります。

お菓子やお惣菜を買う時に、原材料欄を確認したことはありますか?令和5年3月9日、食品表示のルールが一部改正され、「くるみ」が特定原材料に追加されました[1, 2]。ただし、令和7331日までは経過措置期間、つまり、各メーカーが食品表示ラベルを更新するために設けられた期間です。この期間は、「くるみ」が特定原材料として表示されているとは限りませんので注意が必要です。


イラスト


特定原材料とは?

食品の原材料欄は、食物アレルギー患者にとって、アレルギーの原因となる食品の摂取を避けるための重要な情報源です。食物アレルギーの原因となる食品は様々ですが、特に症例数が多いものや、死に至る可能性のある危険な症状(呼吸困難、意識障害、血圧低下、ショック症状など)を引き起こすものは、食物アレルギーの表示制度により、原材料欄に必ず表示することが決められています。このような食品を「特定原材料」(表)と言います。

食物アレルギーの表示制度は、平成134月からスタートしました。当初の特定原材料は5品目(小麦、そば、卵、乳、落花生)でしたが、平成206月の改正で2品目(えび、かに)、さらに今回の改正でくるみが追加され、計8品目となりました。また、他に「特定原材料に準ずるもの」として、20品目の表示が推奨されています。

. 食物アレルギー表示の対象(令和55月時点)
特定原材料
8品目
(表示が義務のもの)

小麦・そば・卵・乳・落花生(ピーナッツ)・えび・かに・くるみ

特定原材料に準ずるもの
20品目
(表示が推奨されるもの)
アーモンド・カシューナッツ・あわび・いか・いくら・さけ・さば・オレンジ・バナナ・キウイフルーツ・もも・りんご・ごま・大豆・牛肉・鶏肉・豚肉・まつたけ・やまいも・ゼラチン

 

なぜ「くるみ」が追加?

食物アレルギーの表示制度は、日本の食物アレルギーの現状に即したものかどうか定期的に見直されています。この見直しの際、消費者庁が実施する食物アレルギーの健康被害調査の結果が参考にされます[3]。この調査では、何らかの食物を食べた後60分以内に症状が出現した患者の情報が収集され、アレルギーの原因食品や症状などが集計されています。

平成30年度の調査報告では、卵、牛乳、小麦に次いでくるみは4番目に症例数が多く、くるみを筆頭に木の実類のアレルギー被害が増加傾向にあることが明らかにされました[4]。このような現状を踏まえ、今回の改正で「くるみ」が「特定原材料に準ずるもの」から「特定原材料」へと変更されました[5]

なお、令和3年度の調査報告においても、くるみの症例数は増加傾向を示しています[6]

 

大安研では食物アレルギー表示の検査を行っています

大阪健康安全基盤研究所では、行政機関からの依頼を受け、大阪府市内で製造または流通する食品について、食物アレルギー表示に関する特定原材料の検査を行っています。令和3年度は118件の検査を実施し、そのうち1件で、特定原材料の表示の欠落が見つかりました。

これからも、検査を通じて大阪府市内に流通する食品の安全安心の確保に一層努めてまいります。


参考資料

[1] 消費者庁ホームページ 食品表示法等
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/

[2] 消費者庁 くるみの特定原材料への追加及びその他の木の実類の取扱いについて(令和539日事務連絡)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/assets/food_labeling_cms204_230309_03.pdf

[3] 消費者庁ホームページ 食物アレルギー表示に関する情報https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/#research

[4] 消費者庁 平成30年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/pdf/food_index_8_190531_0002.pdf

[5] 消費者庁 第1回食物アレルギー表示に関するアドバイザー会議(2021215) 【資料2】くるみの義務表示化の経緯等について
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/assets/food_labeling_cms204_210217_03.pdf

[6] 消費者庁 令和3年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業 報告書
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/assets/food_labeling_cms204_220601_01.pdf

 

 

 

お問い合わせ

衛生化学部 食品安全課
電話番号:06-6972-1110