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11月14日は「世界糖尿病デー」~その1:インスリンの働き~

掲載日:2023年11月10日

11月14日は「世界糖尿病デー」です

    

(詳しくは、世界糖尿病デー実行委員会HPをご覧ください)

糖尿病啓発のシンボルカラーが<ブルー>であることから、この時期、世界各地のランドマークでブルーライトアップが実施されています。

この「世界糖尿病デー」は、糖尿病(diabetes:ダイアベティス)の予防や治療継続の重要性について多くの方々に知っていただく重要な機会となっています。

今回は、糖尿病に関わるホルモンであるインスリンの働きと、糖尿病の予防について情報提供をさせていただきます。

インスリンとは?

糖尿病に関係するホルモンとして、すい臓から分泌される「インスリン」があります。

インスリンの働きにより、体の細胞が血液の中にある糖を取り込み、エネルギーを作ります。しかし、何らかの理由でインスリンの働きが悪くなると、細胞が糖を取り込みにくくなり、エネルギーが不足し、血液の中で糖が増えます。これが糖尿病です。
このような状態になると、脱水や全身の動脈が硬くなるなど、さまざまな悪い影響が出てきます。
日本人の糖尿病は、内臓の周りにたまった脂肪が原因で起こるタイプが多いと言われています。内臓にたまった脂肪からは、インスリンの働きを悪くする悪玉サイトカイン(おもに細胞の間で情報を伝える物質)が出て、細胞が糖を取り込みにくくなります。
そして細胞が糖を取り込めるように、すい臓は頑張ってインスリンをたくさん出すようになりますが、すい臓に大きな負担がかかるので、次第にインスリンを出す力が衰えてしまいます。

また、インスリンが血液中で増えすぎると、がん細胞の増殖をうながし、全身で発がんのリスクが高まってしまいます。

糖尿病の予防について

糖尿病を予防する一つの方法として、<筋肉を増やすこと>があげられます。食後、体の中で糖を取り込むのは主に脳と筋肉と肝臓です。筋肉から出るマイオカインというホルモンは、インスリンの働きをよくして脂肪を燃焼させます[1]。脂肪が減ると脂肪細胞が出す悪玉サイトカインの量が減る[2]ため、さらにインスリンの働きがよくなり細胞が効果的に糖を取り込むことが出来るようになります。このように、筋肉を増やすことが糖尿病予防につながります。日々の効果的な運動、食事、睡眠で、糖尿病を予防しましょう。




参考文献

[1]   B. K. Pedersen, T. C. A. Åkerström, A. R. Nielsen, and C. P. Fischer, “Role of myokines in exercise and metabolism,” J. Appl. Physiol., vol. 103, no. 3, pp. 1093–1098, 2007, doi: 10.1152/japplphysiol.00080.2007.

[2]   H. S. Park, J. Y. Park, and R. Yu, “Relationship of obesity and visceral adiposity with serum concentrations of CRP, TNF-α and IL-6,” Diabetes Res. Clin. Pract., vol. 69, no. 1, pp. 29–35, 2005, doi: 10.1016/j.diabres.2004.11.007

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公衆衛生部 疫学解析研究課
電話番号:06-6972-5577