コンテンツにジャンプメニューにジャンプ
大阪健康安全基盤研究所

トップページ > くすり > 注射器などの医療機器の検査を行っています(エンドトキシン試験)

注射器などの医療機器の検査を行っています(エンドトキシン試験)

掲載日:2020年4月23日

病院などで使用されている注射器やカテーテルなどの医療機器、これらの安全性はどのようにチェックされているのでしょうか?
今回は、当所で行われている検査についてご紹介します。

図1

なぜ検査するの?

20世紀に入り「注射薬による発熱」という社会問題が起こり、極めて微量のエンドトキシン(以下、ETX)が原因であることが判明しました。ETXは環境中に広く常在している細菌に由来するため、“汚染が起こりやすい”ことが特徴です。これらの背景から、医薬品・医療機器等の品質確保を目的とした検査が実施されています。

 

エンドトキシン試験法

医薬品・医療機器のETX汚染を検査する方法として、エンドトキシン試験法(ETX試験法)があります。
ETX試験法には1. 光学的測定法(比色法や比濁法)と2. ゲル化法 [1](ETXがカブトガニの血中成分をゲル化させる性質を利用する方法)があります。

今回はこれらの手法のうち、ゲル化法について簡単にご紹介します。

ゲル化法によるETX試験は、ETXがライセート試薬(カブトガニの血球抽出物)をゲル化させる性質を利用した試験であり、一般的な実験室で実施することが可能です。当研究所では、注射針などの医療機器についてETX汚染がないか、検査しています。

注射針の場合は、検査専用の液に浸し混ぜる等により、試験溶液とします。また、ライセート試薬はETX試験用水で溶解し、ライセート試液を調製します。

次に、試験溶液とライセート試液を
0.1mLずつ混合し、37±1℃のアルミブロック恒温槽で60±2分静置後、ゆっくりと逆さまにします。

その時、流出しない堅固なゲルが形成される場合を「陽性:
ETXあり」、ゲルを形成しないか、形成したゲルが流出する場合を「陰性:ETXなし」と判定します(下図)。

図2

さいごに

これまで、医療機器の発熱性物質試験の方法として、多量の試験液をウサギの静脈に注射し体温変化を測定する方法が主に用いられてきました。

しかし、動物愛護の観点から、動物を用いない代替試験法が望まれており、
1988年にETX試験法が日本薬局方へ収載されました [2]ETX試験法は、試験管内で試験を実施できるため、迅速かつ経済的です。
これらの背景から、発熱性物質の検査は代替法である
ETX試験法が広く普及しています [1]

参考資料

[1] 第十七改正日本薬局方解説書 01 エンドトキシン試験法, 廣川書店, B-473 - B-492 (2016)
[2] 第十一改正日本薬局方追補解説書 エンドトキシン試験法, 廣川書店, B-10 - B-12 (1988)

お問い合わせ

衛生化学部 医薬品課
電話番号:06-6972-1362