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大阪健康安全基盤研究所

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乳幼児の衣類に含まれるホルムアルデヒドについて

掲載日:2018年10月23日

ホルムアルデヒドとは

ホルムアルデヒドは、私たちの身近で多く使用されている化学物質です。主な用途として、合成樹脂の製造原料、消毒剤、防腐剤、接着剤、医薬品等が挙げられます。
ホルムアルデヒドはシックハウス症候群の原因物質の一つです。家具や建材に使用されている接着剤に含まれるホルムアルデヒドが室内に拡散した場合、粘膜刺激やアレルギーを引き起こす可能性があります。
実は、ホルムアルデヒドは繊維製品にも使用されています。今回は、繊維製品に対する規制についてご紹介します。

繊維製品のホルムアルデヒドの規制について

ホルムアルデヒドは、繊維製品に対する防縮・防しわ加工、形態安定加工等を目的babyに使用されています。使用されたホルムアルデヒドは製品中に残存する可能性があります。これらのホルムアルデヒドを規制するために「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律(家庭用品規制法)*」があります。
家庭用品規制法によるホルムアルデヒドの規制について表に示します。一般的に、肌に触れる繊維製品(くつした、寝衣、手袋等)には75 ppm以下という基準が設定されています。繊維製品の他、かつら、つけまつげ等に使用される接着剤にも同じ基準が適用されています。
一方、乳幼児(生後24か月以下)が使用する繊維製品には、16 ppmという基準が設定されています。これは、乳幼児の肌が敏感であること、なんでも口に入れてしまう可能性があることが考慮されているためです。そのため、乳幼児の場合は、先に示した繊維製品に加え、おしめ、おしめカバー、よだれ掛け、帽子、寝具等も規制対象となっています。このように、乳幼児が使用する繊維製品は国際的にも厳しく規制されているのです。
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乳幼児の衣類を安心して使用するために

上記のように、乳幼児の衣類等に含まれるホルムアルデヒドは厳しく規制されています。しかし、ホルムアルデヒドは繊維製品に吸着しやすく、もともと繊維製品に含まれていなくても空気中に発散されたホルムアルデヒドから「移染」してしまう可能性があります。販売時に乳幼児の衣類等が個別に包装されているのは、それを防ぐためでもあります。
ホルムアルデヒドは水に溶けやすい性質があります。当所では、洗濯による低減効果を報告**しています。気になる方は、新しい衣類を着用する前に洗濯されるとよいでしょう。

 

 *:有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律、昭和48年10月12日法律第112号および有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律施行規則、昭和49年9月26日厚生省令第34号
本法律は、厚生労働省化学物質安全対策室HPからご覧になることができます。
有害物質を含有する家庭用品規制基準概要(厚生労働省化学物質安全対策室ホームページ)(外部サイトにリンクします)

 **:繊維製品中のホルムアルデヒド実態調査および洗濯による低減について(平成26年度大阪市立環境科学研究所報告「調査・研究年報」)

 

お問い合わせ

衛生化学部 生活環境課
電話番号:06-6972-1353