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大阪健康安全基盤研究所

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食品の収去検査について~理化学検査~

大阪健康安全基盤研究所(以下、大安研)では「食の安心・安全」を守るために様々な検査を実施しています。今回は大安研の重要な検査である「収去(しゅうきょ)検査」について、大安研の役割とともに概要をご紹介させていただきます。

 

収去検査とは

食品の収去検査とは、食品関連施設に対する監視・指導の一つとして行われる検査で、食品衛生法に基づいて自治体が作成した、食品衛生監視指導計画(1, 2)に従って実施されています。収去とは、製造所や販売所から検査の対象とする商品を抜き取ることで、保健所などの食品衛生監視員が担当します。検査には、大きく分けて細菌検査と理化学検査の2種類があり、主に自治体の地方衛生研究所が担当しています。検査の結果、基準に対する違反があった場合には、自治体が食品の回収や廃棄などを指示します。

 食品の収去検査について~理化学検査~

 

理化学検査

大安研は、大阪府および大阪市の地方衛生研究所として、食品の収去検査を実施し、理化学検査だけでも年間1800件以上を行っています(令和元年度実績)。細菌検査については過去のアーカイブ(「食品の収去検査とは?~細菌検査の場合~」)をご参照ください。

理化学検査では、様々な分析機器を用いて、検査対象成分が「含まれているか」、また「その濃度はどの程度か」について調べます。検査の観点は以下の2つに大別されます。

1. 各種基準などが守られているかを検査

食品による健康被害を防ぐため、食品衛生法によって規格基準が定められています。検査の結果で得られた濃度が、基準より高い場合は食品衛生法違反となります。項目の例としては、食品添加物、残留農薬、動物用医薬品、カビ毒、放射性物質などがあります。

2. 正しく表示されているかを検査

アレルギー物質や遺伝子組換えなどの表示については、アレルギー反応による健康被害を未然に防ぐなど、消費者に情報を伝えるため食品表示法に定めがあります。検査の結果、検出された成分の表示がされていない場合は違反となります。

大安研で実施している理化学検査の対象食品と検査項目の一部を表1にお示しします。

 表 食品の収去検査について~理化学検査~

おわりに

全国の自治体で食品衛生に関する検査が実施されていますが、流通しているほとんどの食品は規格基準や成分規格に適合しています。違反した食品によって「食の安心・安全」が脅かされることがないよう、大安研は大阪府内における検査実施機関として日々検査に取り組んでいます。


 

参考資料


1. 大阪府の監視指導計画・結果について

https://www.pref.osaka.lg.jp/shokuhin/kanshikeikaku/sidoukeikaku.html

2. 大阪市の監視指導計画・結果について

https://www.city.osaka.lg.jp/kurashi/category/3017-2-6-0-0-0-0-0-0-0.html

 

お問い合わせ

衛生化学部 食品化学2
#食品化学2課は,20231月より食品安全課と食品化学課に再編されましたので,
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