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大阪健康安全基盤研究所

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食品に残留する動物用医薬品のはなし

掲載日:2018年11月19日

1.動物用医薬品とは

動物用医薬品とは、動物に使用されることが目的とされている医薬品です。主にペットや産業動物(食用となる家畜や養殖水産動物など)を対象に使用されています。これらは、畜産や魚の養殖などの現場で病気の治療や予防に使われるほか、栄養補給や成長促進を目的に飼料添加物としても利用されています。いずれの用途にしても、「医薬品医療機器等法」や「飼料安全法」の法律によって厳密に管理されています。農薬が害虫などを駆除し、農産物の生産量向上に大きく寄与しているのと同様に、畜水産物の安定供給や人獣共通感染症の防止などに動物用医薬品は必要不可欠なものとなっています。

動物用医薬品は目的に応じて投与量や投与期間、出荷までの使用禁止期間(休薬期間)が定められています。また、獣医が処方することとされており、われわれが容易に入手できるものではありません。このように厳密な管理のもと使用されている動物用医薬品ですが、使用法や処方量を誤った場合に畜水産食品に残留する可能性があります。そのような食品を口にした場合、健康な人が意図せず医薬品を摂取してしまい、アレルギー反応や薬剤耐性菌の出現などの好ましくない影響が生じることが考えられます。

市場に流通する食品の残留動物用医薬品は食品衛生法によって規制され、食品ごとに残留基準値(人が摂取しても安全と評価された濃度)が設定されています。また、基準値が設定されていない合成抗菌剤や抗生物質については、「含有してはならない」となっています。これらの基準を超えて残留していた場合には、その食品の流通が禁止されることとなります。

動物用医薬品について

2.残留動物用医薬品の検査について

当所では、大阪府内を流通する畜水産食品(牛肉、豚肉、鶏肉、魚など)を対象に、残留動物用医薬品の検査を継続的に実施し、不適切な食品が流通していないかを監視する一端を担っています。

最近10年間の検査結果において残留基準を超過した事例はほとんどなく、動物用医薬品については、おおむね適切な管理がされていると考えられます。われわれは、今後も十分な検査体制を維持して畜水産食品の流通監視に寄与したいと考えています。


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衛生化学部 食品化学1
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