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大阪健康安全基盤研究所

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オオシロカラカサタケによる食中毒にご注意ください

掲載日:2018年9月20日

1)オオシロカラカサタケによる食中毒の発生時期と発生状況

大阪府内では、平成17年や20年、28年に毒キノコのオオシロカラカサタケを食べたことによる食中毒が発生しています(注1, 2)。オオシロカラカサタケは夏から秋にかけて公園の芝生や庭、校庭など、人工的な環境の草地に群生する大型のキノコで、もともとは熱帯地方に分布していましたが、温暖化などの影響により近畿各地で広がっています。食べると2時間ほどで下痢・嘔吐などの食中毒症状があらわれます。誤って食べないようにしましょう。

 有毒なオオシロカラカサタケおよび当該キノコと間違えやすい食用キノコの写真

2)毒キノコによる食中毒の予防

外見で毒キノコを見分けることは困難です。野生のキノコは「採らない・食べない・人にあげない」を守り食中毒の予防に努めましょう。また、秋のキノコ発生時期には路上や道の駅で食用の野生キノコが売られていますが、この中に毒キノコが混入することが時々あるので、注意しましょう。

 

3)毒キノコを食べてしまったら

万が一、野生のキノコを食べて体調に異常を感じたら、直ちに病院を受診してください。受診するときは、必ずキノコを食べたことを伝え、食べ残しのキノコ、料理を持って行きましょう。また、キノコ中毒は、数十分から数時間後に症状が現れることが多いですが、かなり時間がたってから現れることもあり、毒キノコが原因だと気づかないこともあるので注意が必要です(注3)。

 

4)毒キノコの迅速検出法

キノコによる食中毒が疑われる場合、肉眼および光学顕微鏡を用いて形態鑑別し、原因を特定することができます。また、DNA解析によりキノコの種類を確認する方法も報告されています1。しかし、食べ残しのキノコの量が少ない場合や、調理品の場合はこれらの方法による鑑別が困難となります。当所では、オオシロカラカサタケを鑑別することができるPCR法を開発し、残量が少ない場合や調理品でも対応できることを確認しました2

 

本研究成果は、日本食品衛生学雑誌の20176月号に掲載されました。

 
参考文献

  1. Masayama, A., Murakami, T., Sakuma, D., Ki, M., Yamano, T., and Shimizu, M., Discrimination of Mushrooms Causing Food-Poisoning Incidents by Using DNA Sequence Analysis. Shokuhin Eiseigaku Zasshi (J. Food Hyg. Soc. Japan), 53, 237-242 (2012).
  2. Nomura, C., Masayama, A., Yamaguchi, M., Sakuma, D., Kajimura, K., PCR-Based Method for the Detection of Toxic Mushrooms Causing Food-Poisoning Incidents. Shokuhin Eiseigaku Zasshi (J. Food Hyg. Soc. Japan), 58, 132-142 (2017).

 

関連リンク

大阪市健康局ホームページ「毒キノコの食中毒に注意」

大阪府健康医療部ホームページ「毒キノコによる食中毒にご注意」

厚生労働省ホームページ「自然毒のリスクプロファイル」

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衛生化学部 食品化学1
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