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大阪健康安全基盤研究所

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最近よく聞く!?ヘルパンギーナってなんだろう?

掲載日:2023年8月10日

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「ヘルパンギーナ」という病気の名前を最近ニュースなどでよく聞きます。ヘルパンギーナは代表的な夏風邪(なつかぜ)の一つですが、その語源はドイツ語の「ヘルペス:水疱」と「アンギーナ:急性の喉(のど)の炎症」で、症状をそのまま病名にしたものです。聞きなれないので、最近発見された病気のように感じますが、1951年には、すでに複数の学術論文が発表されています(例:Huebner Rj et al. JAMA,Mar 3;145(9):628-33,1951)。

どんな病気?

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エンテロウイルスによる感染症です。エンテロウイルスには多くの種類があり、その中でもコクサッキーウイルスA群が主な原因です。1歳から2歳の子どもに多い病気ですが、それよりも年長の子どもや、まれに大人も発症する場合があります。主な症状は高熱と喉の痛みで、喉には多数の水疱があらわれます。ほとんどの場合、発熱や喉の痛みは数日以内に軽快しますが、高熱によって起こる熱性けいれんや、喉の痛みが原因で飲食が困難になり、脱水症状を伴うことがあるので注意が必要です。また、原因となるコクサッキーウイルスA群にも多くの種類があるため、毎年のように発症したり、まれに同じ年に繰り返し発症することがある、厄介な病気です。

治療と予防について

治療に有効な特効薬はなく、発熱などの症状を和らげるための解熱剤や、脱水症状を改善するための点滴など、対症療法が一般的です。

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予防についてもワクチンはありませんので、感染しないようにすることが唯一の対策となります。ウイルスの感染経路は、経口感染(手指に付いたウイルスが口から入ること)、飛沫感染(ウイルスを含ん だ唾液や気道分泌物が飛沫となって直接口や鼻などから入ること)、接触感染(皮膚や粘膜の直接的な接触や手すりやタオルなどの物の表面を介して間接的な接触によりウイルスが体内に入ること)です。外出先から帰宅時、調理の前後や飲食前など適切なタイミングでしっかりと手洗いをしましょう。手洗いの後はタオルなどを共用せず、ペーパータオルなどを用いることも効果的です。ウイルスを含んだ飛沫の吸込みを防止するためや他の人にウイルスを感染させないためにもマスクの着用は有効です。また、患者の糞便中に長期間ウイルスが排泄される場合があります。患者便の処理には十分な注意を払い、処理後はしっかりと手洗いしましょう。

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汚れた環境の 消毒方法として新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスに有効なアルコール消毒は効果が十分ではありません。0.020.1%程度に薄めた家庭用塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウムを含む)等が有効です。

お問い合わせ

微生物部 ウイルス課
電話番号:06-6972-1402