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大阪健康安全基盤研究所

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平成16年度 大阪市立環境科学研究所報告「調査・研究年報」(要旨)

調査・研究報告

報文

家庭用品に使用される化学物質の皮膚感作性(9) 4,4'-thio-bis(3-methyl-6-tert-butylphenol)、2,2,4-trimethyl-1,3- pentanediol monoisobutyrateおよび2,2,4-trimethyl-1,3-pentanediol diisobutyrate (清水充ほか)

家庭用品に使用されているゴムなど老化防止剤の4,4'-thio-bis(3-methyl-6-tert-butylphenol)(TBMBP)、溶剤の2,2,4-trimethyl- 1,3-pentanediol monoisobutyrate(TMPMIB)および可塑剤2,2,4-trimethyl- 1,3-pentanediol diisobutyrate(TMPDIB)についてモルモットマキシミゼーション法による皮膚感作性試験を実施した。その結果、モルモットにおいてTBMBPは皮膚感作性を有することが、TMPMIBおよびTMPDIBは皮膚感作性を示さないことが確認された。

2004年に大阪市内の食中毒原因調査において検出された下痢原性微生物 (長谷篤ほか)

2004年に大阪市内で食中毒が疑われた183 事件中71件(38.8%)で下痢原性微生物が検出された。ノロウイルスが検出されたものが47件(66.2%)、サルモネラ10件(14.1%)、キャンピロバクター7件(9.9%)、腸炎ビブリオ3件、黄色ブドウ球菌1件、ウェルシュ菌1件、セレウス菌1件、黄色ブドウ球菌・セレウス菌同時検出が1件あった。

市販の牛内臓肉の腸管出血性大腸菌O157汚染状況について (北瀬照代)

2000年から2004年にかけて市販の牛内臓肉201検体について生菌数および腸管出血性大腸菌O157の汚染状況の調査を行った。牛内臓肉201検体の生菌数は1g当たり105台、106台の検体が多く、全体の71.7%(144/201)であった。
今回の調査でO157を検出したのは201検体中15検体(15/201、7.5%)であった。

医薬品の温度安定性について(4) 抗アレルギー点眼薬及び点鼻薬の温度苛酷試験 (尾崎麻子ほか)

抗アレルギー点眼薬及び点鼻薬計10試料の温度苛酷試験(50℃で1及び2ヵ月遮光保存)を行い、有効成分であるクロモグリク酸ナトリウムとマレイン酸クロルフェニラミンの含量変化をHPLC-PDAで測定したところ、点眼薬について苛酷試験後に液量の減少、容器の変形、有効成分含量の増減、未知ピークの出現等が認められた。

アレルギー物質を含む食品の調査 市販袋入りうどん類、飲食店で調理されたうどん及びゆで汁、粉末胡椒中のそばタンパク混入実態 (亀井正治ほか)

大阪市内で販売されている袋入うどん類34検体、飲食店の調理済みうどん及びゆで汁7検体、粉末胡椒8検体中のそばタンパク混入実態をELISA法を用いて調査した。検査した全ての試料で基準を下回ったが、PCR法による確認試験でいくつかの試料での混入が認められた。

大阪港湾水域における水質汚濁の現状 (張野宏也ほか)

大阪港湾水域の化学的酸素消費量(COD)を測定した。1993年から2004年の間に大阪港湾水域においてCODの変化はみられなかったが、生物学的酸素消費量(BOD)とCODの比は減少した。
2003年の大阪港内の各々の地点におけるCODの平均値は3.8-5.9mg/Lであり、大阪港外よりも低かった。また、大阪湾全域のCODに比べると大阪港湾水域は若干高かったが、大阪港湾水域に流入する河川域と比較すると低かった。CODとSSまたはクロロフィルaとの相関は認められなかった。

大阪市域の水環境中ダイオキシン類の特徴について (先山孝則ほか)

平成12~15年度に行った大阪市内の水質および底質中ダイオキシン類の調査結果を用いて、大阪市域の水環境中のダイオキシン類の特徴を考察した。ダイオキシン類の濃度分布から、大阪市内の水域では市外から河川を介してダイオキシン類が流入し、市内の汽水域で塩素イオン濃度上昇と流速低下の影響により懸濁物質とともに沈降し、底質に堆積していると考えられた。また、ダイオキシン類の成分組成は、いずれの媒体においてもおおむねPCDDとPCDFは燃焼系発生源、Co-PCBはPCB製剤と類似していた。

路面アスファルト剥離片に含まれる金属成分の分析 (船坂邦弘ほか)

路面アスファルト成分が、自動車交通に伴い、道路堆積粉じんを経由して市内の大気浮遊粉じんへと寄与している可能性について言及した。VおよびS分がアスファルトの発生源指標として妥当であると考えられたが、道路堆積粉じんの金属組成および大気中Vの粒径分布から、路面アスファルトが市内大気環境に寄与影響している可能性は低いものと考えられた。

繊維製品および器物のホルムアルデヒドの吸着性状について (宮崎竹二)

衣装、寝具などの繊維製品によるホルムアルデヒドの吸着性状が、スモールチャンバーにおける濃度の減衰を測定することによって試験された。人工の素材(ポリエステル、アクリル)より天然の素材(綿、ウール)において吸着が著しく、最も吸着が著しいのは毛布1(ウール)であり、その吸着速度は3.92m/hであった。ガラス、プラスチックなどの器物への吸着(付着)は、繊維製品よりかなり少なかった。

研究ノート

結露とカビの季節変化 (濱田信夫)

サッシ窓のカビや酵母の季節変動を調査した。窓の内側の下目地部分が最もカビ汚染していることが確認された。またこのカビ汚染は、結露しない春や夏に比して、結露が認められた秋や冬に3倍に増加した。外気が10℃以下になった時結露し、この水分がカビ汚染を誘引する可能性を示した。

お問い合わせ

公衆衛生部 健康危機管理課
電話番号:06-6972-1326