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大阪健康安全基盤研究所

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かわら版@iph 11号 2004年7月30日発行

配信された文面をもとに、一部修正を行っています。URLやメールアドレスは配信当時のものです。

目次

  • 今月の話題
    1. 多剤耐性緑膿菌について
    2. ビタミン剤などはコンビニでも-医薬品(一般用)から医薬部外品へ移行-
  • 研究の窓から
    「生活排水処理と浄化槽」
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今月の話題

1、「多剤耐性緑膿菌について」

本年6月、大阪府下の医療機関で院内感染が発生していたことが大きく報道され、この事例では「多剤耐性緑膿菌」が原因菌とされました。

通常の緑膿菌は、流しやトイレなど湿ったところに好んで生息する常在菌で、病原性は弱いため、健康な人に病気を引き起こすことはほとんどありませんが、他の病気などで抵抗力が弱った場合に感染を引き起こす日和見感染菌の一つです。最近、特効薬とされてきた「カルバペネム系」「ニューキノロン系」「アミノグリコシド系」の抗菌薬すべてに耐性を持つようになったものが出現し、こういった緑膿菌を特に「多剤耐性緑膿菌」と呼んでいます。この「多剤耐性緑膿菌」は有効な薬剤がないために、臓器移植や外科手術の後など免疫力が落ちている患者さんが一度感染すると、治療が非常に困難となり、死に至ることもあります。

ただし、健康な人にとっては

  • 病院など特殊な環境のみに存在しているため、この菌と接触する機会は非常に限られている
  • 菌が皮膚や喉などについたとしても、速やかに排除されて消えてしまう(通常は投薬による除菌も不要)

といったことから、日常生活において必要以上に恐れることはありません。他の感染症と同様に、手洗いなど身の回りの衛生管理に気をつけることが重要です。

(細菌課 河原)

2、「ビタミン剤などはコンビニでも-医薬品(一般用)から医薬部外品へ移行-」

薬局等医薬品販売業の許可を受けた店でしか販売できなかった下記の医薬品が、本日(平成16年7月30日)から、医薬部外品に移行し、コンビニなどの一般小売店でも販売できるようになりました。これは、安全性上特に問題のない医薬品を薬事法第2条第2項の医薬部外品のカテゴリーに移行したことによるものです。しかしながら、これら品目の製造については、品質確保の面から医薬品(一般用)と同様の製造管理・品質管理等が要求されます。また、表示についても、「医薬部外品」の文字等基本的な事項に加え、説明文書をよく読むとか過剰摂取に注意する旨など消費者が購入する際の参考情報や使用時の留意事項等の見やすく理解しやすい表示が求められています。また、相談窓口などの記載もしなければなりません。

  • 健胃薬
  • 整腸薬
  • 消化薬
  • 健胃薬・消化薬または整腸薬のうち、いずれか二以上に該当するもの
  • 瀉下薬
  • ビタミンを含有する保健薬
  • カルシウムを主たる有効成分とする保健薬
  • 生薬を主たる有効成分とする保健薬
  • 鼻づまり改善薬(外用剤に限る。)
  • 殺菌消毒薬
  • しもやけ・あかぎれ用薬
  • 含嗽薬
  • コンタクトレンズ装着薬
  • いびき防止薬
  • 口腔咽喉薬
15製品群(2003年度までに販売実績があるのは371品目)

(薬事指導課 山本)

研究の窓から

「生活排水処理と浄化槽(その1)」

環境水質課では、合併処理浄化槽に簡易な改修を行い適切な運転管理を行うことにより、維持管理コストのあまりかからない窒素・リン除去の検討を行っています。その内容を2回に分けて紹介します。まず第1回は、この検討が必要になった背景です。

浄化槽は、下水道未整備地域のし尿と生活雑排水の処理を担う小さな下水道と言えます。もともと、浄化槽はトイレの水洗化と衛生的処理を目的とし、単独処理浄化槽として普及してきました。しかし、これでは生活雑排水が未処理で放流されるため、放流先の水環境に悪影響を与えるようになってきたのです。そのため、大阪府では浄化槽指導要綱を改正し、平成9年10月1日から生活雑排水も処理できる合併処理浄化槽の設置を求めてきました。その後、平成13年に浄化槽法が改正され、浄化槽の定義から単独処理浄化槽を削除したため、全国的に新設される浄化槽は全て合併処理浄化槽となりました。このように合併浄化槽は下水道と同じく、総合的な生活排水処理施設として位置づけられたわけですが、大阪湾を流域とする大阪府では、閉鎖性水域の富栄養化の問題がますます深刻化してきています。第5次水質総量規制を受け平成14年から新設される浄化槽では従来のCOD(化学的酸素要求量)の規制に加え、窒素・リンも規制対象となりました。さらに既に設置されている浄化槽についても平成16年から規制対象となりました。しかしながら、もともと、窒素もリンも処理対象外であった既設浄化槽でこれらを処理するためには、施設の増設や薬品使用による設備改修や維持管理コストの増大を招くため、経済的な理由で対応が困難となっています。そこで、簡易で安価な改修で、かつ維持管理コストの増加が少ない窒素・リン除去方法の検討が必要となっているのです。

(環境水質課 奥村)


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かわら版@iph編集部
大阪府立公衆衛生研究所
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公衆衛生部 健康危機管理課
電話番号:06-6972-1326