10月24日は世界ポリオデーです。
掲載日:2019年10月23日
世界ポリオデーは、初めてポリオ・ワクチンを開発したチームを率いた米国の医学者Jonas Salk(ジョナス・ソーク)の誕生を記念して、ポリオのない世界を目指す国際ロータリーによって設立されました。1988 年には世界ポリオ根絶推進計画(GPEI)が設立され、世界中のポリオを99%減らしました。ポリオ(急性灰白髄炎・小児麻痺、感染症法2類感染症)はワクチンで予防可能な疾患です。
発生動向
- 日本では、1960年に患者6,500例に達する大流行がありましたが、その後の経口生ポリオワクチン接種により患者は激減し、1980年を最後に発生していません。
- 世界では、1988年に約350,000例の報告がありましたが、2018年には33例(主としてパキスタン、アフガニスタン)まで減少しました。2019年には、新たにフィリピンでも発生が報告されています。
感染経路と臨床症状
- ポリオウイルスが人から人へ、主にウイルスを含む糞便を介して感染します。
- 感染した場合、約95%は不顕性感染(感染後も無症状で経過するもの)であり、残りの約5%が、発熱、倦怠感、頭痛、嘔吐、頸部、四肢の疼痛などの感冒症状を呈します。不可逆的な運動麻痺をおこす事例は、感染者の約0.5%であり、そのうち5-10%が呼吸筋に麻痺を起こすことにより死亡します。
予防接種
- ポリオワクチンには、経口生ポリオワクチン(Oral polio vaccine:OPV-経口接種)と不活化ポリオワクチン(Inactivated polio vaccine:IPV-注射による接種)があります。
- 日本では、2012年8月まではOPVが使用されていましたが、2012年9月以降はIPVが使用されています。
- ポリオがまだ存在する国に4週間以上の長期滞在を予定している方は、過去にポリオの予防接種を受けたことがあっても、渡航前に追加で接種することが世界保健機関(WHO)より推奨されています。かかりつけの医師に相談してください。特に1975年から1977年生まれの方は、ポリオに対する免疫が低いことが分かっており、この世代の方については追加接種が推奨されます。
参考
お問い合わせ
公衆衛生部 健康危機管理課
電話番号:06-6972-1326