禁煙を広めよう
掲載日:2025年5月29日
5月31日は「世界禁煙デー」です。
現在開催されている「大阪・関西万博」では「いのち輝く未来社会」をテーマに掲げています。この万博を通じて、「いのち」の大切さや健康の重要性が改めて強調されています。
この「いのち」に関連する「健康」の視点から、禁煙の大切さをお伝えします。
喫煙者の状況
日本における20歳以上の喫煙者の割合は、最近の調査[1]で男性が約25%、女性や約7%、全体では約15%となっています。年々減少してはいますが、目標[2]としている12%には達していません。
また、病気のリスクを減らしたい、火災を防止するといった点から、従来の「紙巻きタバコ」に代わり、「新型タバコ」を使用する喫煙者が増えています。
新型タバコは主に加熱式タバコ(図1)と電子タバコに分類されます。
図1
加熱式タバコは、タバコ葉やタバコ葉を用いた加工品を燃焼させず、専用機器を用いて電気で加熱することで煙を発生させます。電子タバコは、タバコ葉を使用せず、溶液を電気で加熱して発生する蒸気を吸うもので、海外では電子タバコがよく使用されています。日本では加熱式タバコの使用が特に若い世代で多くなっています(図2)。
図2
(クリックすると図が拡大します。)
加熱式タバコは、紙巻きタバコと同じタバコの葉が使われたタバコ製品です。最近の研究では、加熱式タバコも健康に悪影響を及ぼす可能性があると言われており、受動喫煙の問題も指摘されています。
「紙巻きタバコよりは害が少ない」と思われる方もいますが、現状は、有害物質の量が少ないから病気になるリスクも少ないといった根拠はありません。
紙巻きタバコ同様、加熱式タバコも吸わないのが一番です。
受動喫煙防止は、マナーからルールへ
国では、2018 年 7 月、健康増進法の一部を改正する法律が成立し、2020 年 4 月に全面施行されました(図3)。
図3
大阪府では、全国に先駆けた受動喫煙対策を進めており、2025年4月より「大阪府受動喫煙防止条例」が全面施行されています(図4)。
図4
(参考:「大阪府の受動喫煙防止対策」Webサイト)
また、大阪市では同年1月27日より「大阪市路上喫煙の防止に関する条例」の改正で、市内全域が路上喫煙禁止となっています。
マナーでは受動喫煙を防止できないため、法整備を中心としたタバコ対策のルール化が進んでいます。「吸えない場所・時間がつらい」という方にこそ、禁煙がおすすめです。
比較的楽に、確実に、タバコ代より安く禁煙できる方法についてはコチラのページをご参照ください。
最後に
この「大阪・関西万博」を機会として、世界各国の多くの方々に、タバコの煙のないクリーンな空気の大阪を満喫していただきたいと思います。
喫煙に関する対策は「マナー」ではなく、人々の健康を守るための大切な「ルール」であることを、この世界禁煙デーを機会に、ご一読いただいた皆様に考えていただければ幸いです。
こちらの内容は「大安研ニュース第22号」にも掲載されております。
[注釈]
- 令和5年国民健康・栄養調査結果の概要(外部サイト)
- 健康日本21(第三次)国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針(外部サイト)より、「喫煙率の減少(喫煙をやめたい者がやめる)」が目標とされている。
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