医薬品成分が配合された健康食品にご注意ください
掲載日:2022年3月4日
新型コロナウイルス感染症の流行拡大に伴い外出自粛が求められ、ネットショッピングを利用する世帯の割合が増加しています。さらに健康意識の高まりなどにより、インターネットを介した健康食品の購入額も増加しています[1]。
ところが一部の健康食品には違法に医薬品成分が配合されている場合があります。健康食品の購入が増加すれば、このような違法な製品を摂取してしまい、健康を害する危険性も増します。

健康食品とは

保健機能食品などを除いた健康食品には法律上の定義はなく、健康の維持・増進に役立つものとして販売・利用される食品全般を指し、『いわゆる「健康食品」』とも呼ばれます。
一方、医薬品は医薬品医療機器等法によって病気の診断や治療・予防のために体の構造や機能に影響を及ぼす目的で用いられるものと定められ、その有効性や安全性などについて審査された上で製造・販売の承認を受けています。
健康食品は食品ですから、医薬品のような効能や効果をうたったり、医薬品成分を配合したりして販売することはできません。医薬品成分を配合する健康食品は違法であり、取り締まり対象となります。
健康食品で健康被害
医薬品成分を違法に配合する健康食品には、医薬品として用いられる量よりもずっと多い量の医薬品成分を配合していたり、人への作用が不明な成分を配合していたりするケースがあります。
このような健康食品を摂取すると配合される成分の副作用として思わぬ健康被害が生じる恐れがあります。例えば「ホスピタルダイエット」という外国製の健康食品が問題になったことがあります。この製品は、主にインターネットを介した個人輸入で入手されました[2, 3]。健康被害にあわれた方が入手した製品から、ビサコジル(便秘薬)、ヒドロクロロチアジドとフロセミド(利尿薬)、甲状腺ホルモン、クロルフェニラミン(抗ヒスタミン薬)が検出され、摂取した方の一部はこれら医薬品成分による副作用のために入院することになりました[2]。

具合が悪くなったら使わない
このように違法な健康食品の中には、国内で承認されている医薬品成分のほか、医薬品として用いることが許されていない成分が含まれている恐れもあります。健康食品により体調の不具合が生じた場合には、すぐに摂取を止め、医療機関を受診するようにしてください。

健康食品中の医薬品成分の検査をしています
大阪府と大阪市では健康食品による健康被害を防止するために、ダイエット効果や強壮効果を標榜する健康食品の買い上げ調査を実施しています。大阪健康安全基盤研究所では大阪府と大阪市からの依頼に基づいて、健康食品中に配合されている医薬品成分の検査を実施し、過去にも当研究所Webサイトで検査についてお知らせしています[4, 5]。また、大阪府のWebサイトでは健康食品の買い上げ調査の結果がまとめられていて、医薬品成分が配合された実際の健康食品を確認することができます[6]。

関連リンク
- [1] 総務省統計局 「統計Today No.162」(掲載日:2020年9月7日)(外部サイトにリンクします)
- [2] 「健康食品」の安全性・有効性情報 「厚生労働省と静岡県が「ヤンヒーホスピタルダイエット」と称する製品による健康被害事例を公表」(掲載日:2018年10月12日)(外部サイトにリンクします)
- [3] 「健康食品」の安全性・有効性情報 「ダイエット目的で利用されるホスピタルダイエット等について」(掲載日:2019年2月5日)(外部サイトにリンクします)
- [4] 大阪健康安全基盤研究所 「平成29年度の健康食品検査について」(掲載日:2018年5月21日)
- [5] 大阪健康安全基盤研究所 「健康食品は食品?医薬品?」(掲載日:2019年4月18日)
- [6] 大阪府 「健康食品について」(最終更新日:2022年2月4日)(外部サイトにリンクします)
お問い合わせ
電話番号:06-6972-1362