病原体の姿を見る
掲載日:2018年3月27日
走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡、光学顕微鏡などを利用して撮影した病原体を紹介します。
細菌の写真
カンピロバクター
わが国の細菌性食中毒の中で事件数および患者数が最も多い食中毒菌です。主に鶏肉の生食によって感染します。
サルモネラ・エンテリティディス
鶏卵の内部を汚染していることがあり、主に鶏卵またはその加工品を原因とする食中毒を引き起こします。
腸管出血性大腸菌O157
主に牛肉の生食によって食中毒を引き起こす細菌です。感染すると溶血性尿毒症症候群(HUS)などの重篤な症状を引き起こす場合があり、子供や高齢者は特に注意が必要です。ヒトからヒトへ感染します。
ウイルスの写真
ノロウイルス
ウイルス性胃腸炎の主な原因ウイルスです。毎年秋から冬にかけて大きく流行しています。乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層の人に感染します。
RSウイルス
呼吸器感染症の原因ウイルスです。夏のおわりから冬にかけて流行します。重症の場合は入院治療が必要となります。特に乳幼児は注意が必要です。
ヒトメタニューモウイルス
ヒトメタニューモウイルス (human metapneumovirus: hMPV) は、2001年にオランダで発見されました。呼吸器感染症を引き起こします。
ヒトパラインフルエンザウイルス3型
ヒトパラインフルエンザウイルス(human parainfluenza virus: HPIV)は、インフルエンザという名前がついていますが、インフルエンザウイルスとはまったく別のウイルスです。1950年代に発見されたウイルスで、1~4の血清型が報告されています。一般的に乳幼児では、HPIV感染により、発熱をともなった上気道炎~下気道炎の症状が認められます。特に3型は、毎年春に流行が認められます。
寄生虫の写真
アニサキス
サバの内臓に丸くなって寄生するアニサキス幼虫(矢頭)。
内臓から取出した同幼虫。白い長方形の構造物はアニサキス幼虫の胃(矢印)。それより先端の短い部分が頭部。アニサキスにはたくさんの種類があり、食中毒の原因となるアニサキスは、このような胃の形をしたアニサキス(Anisakis simplex)です。
幼虫はサバのお腹の中で遊離して寄生している場合もあります。
寄生数は少ないが、幼虫は筋肉にも寄生しています(矢頭)。
輸入アン肝に認めたアニサキスの一種、シュードテラノーバ(Pseudoterranovadecipiens)(矢印)。
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