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大阪健康安全基盤研究所

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野山に出かけるときはダニに注意しましょう!

掲載日:2018年5月15日

枝先で動物を待つマダニ
枝先で動物を待つマダニ


野山、畑、草むら、河川敷などにはたくさんの虫がいますが、そのなかには野外に生
息する吸血性のダニもいます。これらは発育、脱皮や産卵のため、動物に吸血して栄養をとります。また、ダニのなかには病原体を持つものがあります。ダニが生息しそうな場所で活動した後、しばらくしてから(潜伏期間)急に発熱や発疹がでた場合は、野外のダニが媒介する感染症(ダニ媒介性感染症)を疑うことも必要です。ここでは、ダニ媒介性感染症である日本紅斑熱、つつが虫病、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)という感染症について紹介します。


ダニ媒介性感染症

日本紅斑熱とは

日本紅斑熱は、日本紅斑熱リケッチアという病原体を持った肉眼で見える大きさのダニ(マダニ類)に咬まれることにより感染します。この病気は1984年に初めて徳島県で発見され、それ以後九州、四国、中国地方を中心に患者が報告されています。患者報告数は年々増加しており、2017年には最多の337人が報告されました。全国的にマダニが活動する410月にかけて患者が多く発生しています。

つつが虫病とは

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フトゲツツガムシ

つつが虫病は、つつが虫病リケッチアという病原体を持った、0.3mmほどのダニであるツツガムシの幼虫に咬まれることにより感染します。この病気は古くから日本の風土病として存在していました。現在、患者は全国的に発生がみられ、最近は毎年400人前後が報告されています。患者の発生時期は、媒介するツツガムシの種類とそれらの生息する地域や幼虫の活動時期によって異なります。全国に分布するフトゲツツガムシは主に春先、本州以南に分布するタテツツガムシは主に秋から初冬、北日本の一部に分布するアカツツガムシは主に夏の患者発生の原因になるとされています。


重症熱性血小板減少症候群とは

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、SFTSウイルスという病原体を持ったマダニ類に咬まれることにより感染します。このウイルスは2011年に初めて中国で同定されました。日本では2013年に初めて山口県で患者が報告されました。それ以後、主に西日本で患者が報告され、2017年は最多の90人が報告されました。SFTSもマダニが活動する510月にかけて患者が多く発生しています。


主な症状

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フタトゲチマダニ


これらの病気はいずれも、急な発熱で発症し、頭痛、全身倦怠感、関節痛、筋肉痛などを伴います。発疹、刺し口(ダニが刺したところがかさぶたのようになる)は、多くの症例にみられます。SFTSは臨床的には血小板減少を伴うことから、血液系の異常を指摘される場合があります。またSFTSでは消化器症状(腹痛、下痢、嘔吐など)もよく認められます。いずれも治療が遅れると重症化し、けいれん、意識障害、肝機能障害、腎機能障害、DIC(播種性血管内凝固症候群)などを引き起こし死亡する場合があります。

潜伏期間は、日本紅斑熱で2~8日、つつが虫病で5~14日、SFTSで5~14日といわれています。

日本紅斑熱とつつが虫病のリケッチア症には特効薬があり、テトラサイクリン系抗生物質の投与による治療が有効(日本紅斑熱はニューキノロン系抗菌薬も有効)ですので、早期発見、早期治療を行うことが大切です。SFTSの特効薬は今のところなく、開発が待たれています。またいずれも有効なワクチンはありません。

ダニに咬まれないようにするには

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ダニに咬まれたからといって、必ずこのような病気にかかるわけではありませんが、これらの病気を予防するには、ダニに咬まれないことが重要です。ダニが生息しそうな場所に出かけるときは、次のことに注意しましょう。

  • 肌を露出しない服装をし、忌避剤(虫除けスプレー)を使用する。(長袖、長ズボンを着用する。白っぽい色の服の方が虫やダニをみつけやすい)
  • 直接地面に座ったり寝転んだりせず、敷物を使用し、衣服も草むらに直接置かない。
  • 帰宅後はすぐに入浴して体についたダニを落とし、新しい衣類に着替える。

ダニに咬まれてしまったら


吸血中のマダニ
吸血中のマダニ


もし、ダニに咬まれてしまった場合は、皮膚科などでダニを除去してもらい、その後発熱や発疹などの症状がでないか、注意して過ごしてください。発症した際は病院を受診して医師にダニ媒介性感染症の可能性について伝えましょう。

これらの病気は初期の段階では風邪などと間違いやすいので、早期発見には、最近山菜採りをしたことや、農作業中にダニに咬まれたなど、野外活動を行ったことや活動時のできごとを医師に伝えることが重要です。


大阪府内では、つつが虫病の患者報告数は毎年1人前後、日本紅斑熱は毎年1~7人報告があり、大阪府内での感染が強く考えられる症例が増えています。SFTSは2017年に初めて報告がありました(感染地は府外の可能性あり)。
また、他府県や国外で感染し、府内に戻られてから発症された症例もありますので、どこに行かれても、野外活動をするときは、これらの病気をどこか頭の片隅にとどめておいてください。


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微生物部 ウイルス課
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