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大阪健康安全基盤研究所

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劇症型溶血性レンサ球菌感染症の発生状況および特徴のまとめ

掲載日:2024年3月28日

劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、感染症法に基づく感染症発生動向調査において、5類全数把握疾患と定められており、小児が多く罹患するA群溶血性レンサ球菌咽頭炎 (5類定点把握疾患)とは区別されています

大阪府内の状況

2024年第23週時点)

2024年は24週までに累計で56例の報告があり、過去の同時期の報告数を超えて推移しています。また、昨年の年間報告数である55例をすでに超えています。

〇大阪府内の最新の状況はこちら。
(大阪府感染症情報センター|劇症型溶血性レンサ球菌感染症)


診断年別性別累積報告数

STSS_Fig1.png


診断年別年齢階級別累積報告数

STSS_Fig2.png


届出時に記載のあった血清群の内訳

STSS_Fig3.png


全国の状況

国内では2024年第23週までに累積1,019例(2024年第23週_IDWR速報データ)となっており、既に2023年の国内累積報告数である941例(2023年第52週_IDWR速報データ)を超える数となっています。

 

特徴と予防

  • 病原体

A群溶血性レンサ球菌(group A Streptococcus: GAS, Streptococcus pyogenes)の他、B群、C群、G群の溶血性レンサ球菌などがあります。

  • 感染経路

飛沫感染、接触感染、創部感染により伝播する感染症です。

  • 症状

初期症状は四肢の疼痛、腫脹、 発熱、血圧低下などで、発症してから非常に急激かつ劇的に病状が進行します。発病後数十時間以内には筋肉周辺組織の壊死を起こしたり、血圧低下や多臓器不全からショック状態に陥り、発病後数十時間で死に至ることも少なくありません。

詳しい臨床症状についてはこちらを参考にしてください
国立感染症研究所, 劇症型溶血性レンサ球菌感染症とは

  • 予防

手指衛生、咳エチケットが重要です。手足等の傷口から感染する場合もあるため、傷を清潔に保つことが大切です。

四肢の疼痛、腫脹、発熱などの感染の兆候が見られる場合は、速やかに医療機関を受診してください

 

病原体に関する情報

劇症型溶血性レンサ球菌感染症(streptococcal toxic shock syndrome: STSS)の病原菌は、A群溶血性レンサ球菌(group A Streptococcus: GAS, Streptococcus pyogenes)の他、B群、C群、G群の溶血性レンサ球菌などがあります。国立感染症研究所の報告によると、GASの分類は、病原因子として知られているM蛋白をコードするemm遺伝子配列で行われ、emm1型であるM1型株が多く分離されてます。2011年以降、英国でM1型株の中でも、特徴的な27種類の単塩基置換を有するUK系統株の分離頻度が増加し、欧州、北米、豪州等ではUK系統株がM1型株の中で主要な分離系統となっています(1)。また、UK系統株は、UK系統株ではないM1型株と比較し、発赤毒素の産生量が約9倍多く、伝播性も高いとされています(1)。また、2010年代に英国で流行した病原性および伝播性が高いとされるUK系統株の集積が、2023年夏以降に日本国内でも確認されています(2)。


  1. A群溶血性レンサ球菌による劇症型溶血性レンサ球菌感染症の50歳未満を中心とした報告数の増加について(2023年12月17日現在)(IASR Vol. 45 p29-31: 2024年2月号)2024年1月15日国立感染症研究所
  2. 国内における劇症型溶血性レンサ球菌感染症の増加について2024年3月29日国立感染症研究所

大阪府のA群溶血性レンサ球菌の細菌学的動向


表)大阪健康安全基盤研究所で検査され、分離されたA群溶血性レンサ球菌(GAS)M1型でemm1.0遺伝子を有する延べ81株の菌株解析(PCR法)結果(2024年5月28日時点)

  菌株       割合
搬入年 総計    うちUK系統株    UK系統株(%)
2015 17 0 0
2016 21 0 0
2017 5 0 0
2018 10 1 10
2019 11 5 45
2020 7 5 71
2021 1 1 100
2022 0 0 -
2023 1 1 100
2024 8 7 88
計    81    20  

注釈)PCR法のrofAターゲット遺伝子においてA/T塩基置換が確認されたものをUK系統株として分類している

 


【参照情報】

国立感染症研究所IASR Vol. 45 p29-31: 20242月号

東京都劇症型溶血性レンサ球菌感染症 (STSS)とは

大阪府のA群溶血性レンサ球菌咽頭炎の発生動向(小児科定点)大阪府感染症情報センター

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎にも気をつけましょう!大阪健康安全基盤研究所

お問い合わせ

公衆衛生部 健康危機管理課
電話番号:06-6972-1326