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大阪健康安全基盤研究所

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水道水の水質基準が変わりました-PFOS及びPFOAが追加されました-

掲載日:2026年6月3日

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 安全な水を供給するために、水道水には水質基準が設けられています。令和8年4月1日に「ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)」が新たに水道基準に追加されました[1]。これにより、水道水の安全管理がさらに強化されました。
 現在、水道水の水質基準項目には、健康や安全に関する項目が32項目、においや色、濁りなど、水道水を生活で使用する上で支障となる可能性があるものが20項目あり、合わせて52項目が定められています(令和8年4月1日現在)。水道事業者は、供給する水道水がこれらの基準を満たしているか検査し、基準を超えた場合には対策を講じる必要があります。

 

PFOS及びPFOAとは

 「有機フッ素化合物」は、熱に強い、水や油をはじくなどの特性から、長年にわたり幅広い用途で使用されてきました。この中にはPFAS(ペルフルオロ及びポリフルオロアルキル化合物)と呼ばれるグループがあり、その代表的な化合物がPFOS及びPFOAです。
 PFOSは、半導体製造に使われる反射防止剤やレジスト材料、金属の表面処理(メッキ)に使われる薬剤、さらに泡消火剤などに利用されていました[2]。また、PFOAはフッ素樹脂(フッ素ポリマー)を作る際の補助剤や、汚れを落としやすくするための界面活性剤として使用されていました[2]。PFOS 及びPFOAは分解されにくく、長期間環境中に残留すると考えられており、現在では国際条約や国内法により使用等が規制されています[3, 4]。
 PFOS及びPFOAの健康影響については、動物実験において発がん性や生まれた動物への影響が確認されています[2]。ただ、ヒトに対して同様の影響があるかについてはまだ判断できないのが現状です[2]。
 水道水では、令和2年4月1日から令和8年3月31日まで、「水質管理上注意が必要な項目」として管理されていました。そのときの目標値は暫定値として、PFOS 及びPFOAの合算で50 ng/L(0.00005 mg/L)でした[5]。なお、1ng(ナノグラム)は1gの10億分の1を表す非常に小さな単位です。

 

水質基準について

 令和6年6月、内閣府食品安全委員会はPFASの食品健康影響評価を取りまとめました。この中で、PFOS及びPFOAについて、それぞれ20 ng/kg体重/日という「耐容一日摂取量 (TDI)」が提案されました[6]。TDIとは「人が一生涯にわたり毎日摂取し続けても健康に悪影響が現れないと考えられる1日当たりの量」のことです。また、令和2年度から令和4年度までの水道水の検出状況から、PFOS及びPFOAについて、これまでの「水質管理目標設定項目」から「水質基準項目」へと格上げする必要性があると判断されました[7]。これらを踏まえ、令和8年4月1日から水質基準項目となり、基準値は暫定値であった目標値と同じく、合算で50 ng/Lに設定されました[1]。
 この50 ng/Lという値は非常に低い濃度です。例えば、この濃度の砂糖水を作るには角砂糖1個(約3.3 g)に対して、オリンピックサイズプール(長さ50 m×幅25 m×深さ2 m)約26杯分の水が必要となります。なお、TDIはPFOS及びPFOAそれぞれについて設定されていますが、両者は類似した健康影響を考慮して評価されていることから、安全側に立った考え方として合算値で基準値が設定されています[7]。 
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                           50 ng/Lを例えると…プールの水約26杯に角砂糖たった1個!!

 

検査について

 PFOS及びPFOAは水質基準項目となったため、市町村の水道局のような水道事業者には3ヶ月に1回の検査が義務づけられました[1]。検査は、環境大臣が定めた方法で実施する必要があります。具体的には、水道水からPFOS及びPFOAを抽出し、分析を妨害する成分を取り除いた後、高速液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析計を用いて測定します。この装置は、試料中の成分を分離し、ごく微量の物質でも高感度かつ正確に分析することができます。

 

大阪府内での検出状況

 令和7年度において、大阪府内の市町村の水道事業者から給水されている水道水からは、基準値である50 ng/Lを超えるPFOS及びPFOAは検出されていません。市町村によっては検査結果を公表していますので、お住いの市町村のホームページなどでご確認ください。
 PFASには多くの種類があり、現在規制されているPFOS及びPFOA以外についても、国内外で健康影響や環境中での存在状況に関する調査・検討が進められています。大安研では大阪府や市町村からの依頼に基づき、PFOS及びPFOAだけでなく、これらと類似した構造をもつPFASについても検査を実施しています。今後も国内のみならず、世界の動向を注視しながら、PFOS及びPFOA を含むPFASについて、分析法の開発や水道水等からの検出状況の把握に努めてまいります。

 

引用文献

[1] 環境省水・大気環境局長、水質基準に関する省令の一部改正及び水道法施行規則の一部改正等について(施行通知)(環水大管発第2506304号)(令和7年6月30日)
[2] 環境省、PFASハンドブック(令和7年12月)
https://www.env.go.jp/content/000368188.pdf
[3]経済産業省、POPs条約
https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/int/pops.html
[4] 経済産業省、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/kasinhou/index.html
[5] 厚生労働省医薬・生活衛生局水道課長、「水質基準に関する省令の一部改正等について」の留意事項について(薬生水発0030第1~4号)(令和2年3月30日)
[6] 食品安全委員会、評価書 有機フッ素化合物(PFAS)(令和6年(2024年)6月)
[7] 中央環境審議会水環境・土壌農薬部会 水道水質・衛生管理小委員会、水道における水質基準等の見直しについて(第1次報告)(案)(令和7年4月25日)https://www.env.go.jp/council/water_supply/kentoukai/000310498.pdf

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お問い合わせ

衛生化学部 生活環境課
電話番号:06-6972-1353