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大阪健康安全基盤研究所

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ご存知ですか?大阪にはまだ多い結核、過去の病気ではありません

掲載日:2018年11月26日

結核は、結核菌による慢性の感染症です。

昭和20年代までは日本の死亡原因の第1位でしたが、戦後BCG接種や抗生物質の開発などにより大きく減少し、平成29年では第30位と順位を下げています。結核患者数も大きく減少しましたが、平成29年現在、新たに16,789人の結核患者が登録されており、国内で最大の細菌感染症です。国内の結核罹患率(人口10万人あたりの新登録結核患者数)は平成29年に13.3で、欧米の先進国と比べても約3倍近い数字になっています。大阪府(21.3)は全国の都道府県の中で最も高く、しかも大阪市(32.4)は全国で結核罹患率が最も高い自治体なのです。

 

感染経路と発症

結核菌の感染経路は飛沫核感染(空気感染)です。結核患者の咳・くしゃみの飛沫核(非常に小さい飛沫)に付着した結核菌が飛散して周囲にばらまかれます。結核患者と空間を共有することで吸い込まれた多くの結核菌は、肺内部の肺胞到達前に鼻腔、口腔、気管支の粘膜で排除されますが、逃れた結核菌が肺胞に到達し、定着したときに感染が成立します。感染した人の多くは、菌が免疫で封じ込められてすぐに発症することはありません。また、感染しただけでは結核菌を排出することはないので、他のヒトに結核をうつすことはありません。体内に定着した結核菌が増殖して病巣を作り、病状を呈すると発症しますが、感染者全員が発症するわけではありません。感染者の67%が2年以内に発症します。また、免疫によって封じ込められていた結核菌が、加齢や疾患などによる免疫能の低下に伴って再び増殖し、発症する(内因性再燃)のが34%です。

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結核を発症し、病状が進んで咳・くしゃみとともに結核菌を排出するようになると、周囲の方へ感染させてしまいます。結核を発症したらできるだけ早期に診断を受けて治療することが大切です。しかし、結核患者の疫学調査によると、大阪では発病してから病院で受診するまでの期間が全国と比べて長いことが分かっています。つまり、本人が結核という認識が無いまま周囲のヒトに感染させてしまっている可能性があります。結核は決して昔の病気ではありません。また、高齢者だけの病気でもありません。大阪では1020歳代での結核も毎年発生しています。2週間以上咳が続く時は結核かもしれない、と疑って早めに受診して頂くことが患者本人の治療に関する負担の軽減、周囲の方への感染防止のために大切な行動であり、大阪の結核罹患率を下げる事にもつながります。

 

症状

結核の78割は肺に感染して発症する肺結核です。肺結核の症状は2週間以上続く咳、痰、発熱(微熱)体重減少、食欲不振、寝汗などです。治療せずにそのまま放っておくと、重症化して血痰、喀血、呼吸困難などを引き起こすこともあります。結核菌がリンパや血液の流れにより、肺以外に感染して発症すると肺外結核となりますが、感染部位によって症状は様々です。肺外結核で最も多いのは結核性胸膜炎で、胸痛を伴う発熱や、胸水が肺の周りに溜まることで咳が出たり、呼吸が苦しくなることがあります。その他、全身のいろいろなところで発症しますが、頸部リンパ節では痛みを伴う腫れ、骨や関節では背痛や腰痛、運動障害が認められます。また、2つ以上の臓器で発症すると粟粒結核という重篤な疾患となり、様々な症状が現れます。

 

結核の感染源追究

結核は感染してから発症するまでに13年と非常に長い期間がかかります。そのため、家族間の感染などを除いて、感染経路を明らかにすることが非常に難しい感染症です。また、同時期に結核を発症したグループ内でも感染源が異なることがあります。新たな感染者を増やさないためには、保健所が行う患者接触調査と共に、感染の広がりを科学的に追究することが大切です。当研究所では結核患者から分離された結核菌の遺伝子型別を行い、感染源の追究調査に役立てています。

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結核の統計の詳細についてはこちらをご参照ください

公益財団法人結核予防会結核研究所疫学統計センター

 

結核について詳しく知りたい方はこちらをご参照ください

公益財団法人結核予防会結核研究所HP
国立感染症研究所IASR Vol. 38, No.12 (No. 454) December 2017

 

大阪府内で行っている結核対策について知りたい方はこちらをご参照ください

大阪府HP結核対策情報
大阪市HP結核についての知識と各種事業・制度 

お問い合わせ

微生物部 微生物課
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