3月24日は世界結核日です。-大阪は結核の多発地域-
掲載日:2019年3月11日
世界結核日の由来
結核の原因である結核菌を発見したのは、ドイツの細菌学者ロベルト・コッホ1)です。ロベルト・コッホが結核発見の講演をした日である1882年3月24日に因み、世界保健機関2)は、結核制圧・根絶への誓いを新たにするために、毎年この日を世界結核日(World Tuberculosis Day)としています。結核制圧・根絶に向け、世界結核日にさまざまな啓発活動や行事が実施されます。
1)ロベルト・コッホ(Robert Koch):
近代細菌学の開祖、1905年結核の研究業績によりノーベル生理学・医学賞を受賞
2)世界保健機関:
https://www.who.int/news-room/events/detail/2019年03月24日/default-calendar/world-tb-day-2019
結核の発生動向(世界、日本、大阪府・市)
結核は、ヒト免疫不全ウイルス感染症(後天性免疫不全症候群)やマラリアと共に、世界3大感染症です。結核は過去の病気でなく、国内外を問わず、現在でも多くの結核患者や死亡が発生しています(表)。日本国内の発生動向において、大阪府・市は都道府県・政令市で最多発地域です。
表.世界結核報告書-世界保健機関-2018(統計は2017年に基づく)
結核登録者情報調査年報集計結果-厚生労働省-2017
|
新登録患者数 (年間) |
罹患(発生)率 (年間人口10万対) |
死亡者数 (年間) |
死亡率 (年間人口10万対) |
世界 |
10,000,000 |
133 |
1,570,000 |
21 |
日本 |
16,789 |
13.3 |
2,303 |
1.8 |
大阪府 |
1,881 |
21.3 |
290 |
3.3 |
大阪市 |
880 |
32.4 |
124 |
4.6 |
- 世界保健機関:世界結核報告書 2018
- 厚生労働省健康局結核感染症課:2017年結核登録者情報調査年報集計結果
- 大阪健康安全基盤研究所:「ご存知ですか?大阪にはまだ多い結核」
結核の早期発見・診断・治療
結核は結核菌を吸入(空気感染)することにより発病するため、主病変は肺結核です。早期発見(症状は2週間以上持続する咳、痰や発熱など)・診断(痰の菌検査、胸部X線検査など)、確実な治療(複数の抗結核菌薬の投与、6か月間)により、結核は治癒する疾患です。また、確実な治療は感染拡大の防止にも貢献します。
- 公益財団法人結核予防会:結核について
結核対策の取り組み
日本として、官民が協力し、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年までに日本は結核低蔓延化(低蔓延の定義は罹患率人口10万対10以下、アメリカ合衆国をはじめほとんどの先進諸国が既に達成)を目指しています。
最後に
2週間以上持続する咳、痰や発熱などがある場合、結核も疑い、医療機関を受診してください。結核の早期発見・確実な治療は治癒のみならず、感染拡大も防止します。
お問い合わせ
公衆衛生部 健康危機管理課
電話番号:06-6972-1326